経済トピックス【2008年11月】

 

中国国産ジェット旅客機、ARJ21型機がついに初飛行に成功 

 2008年11月28日は中国の航空史のなかでも歴史的な1日だった。足かけ8年かけて開発を進めてきたARJ21型国産ジェット旅客機がついに初飛行に成功した。この開発については、本コーナーでも第79回で紹介している。

 ARJ21型航空機は、中国名を『翔鳳』と呼ぶ。上海にある中国商用飛機有限公司(略称:中国商飛)で開発され、今回の初飛行も上海地区で行われた。中国商用飛機有限公司は、2002年4月に国務院に批准されて設立された会社で、2007年3月からARJ21型機の組み立て作業がはじまっていた。
 試験飛行は極めて順調だったようで、1600メートル滑走路の半分ぐらいの距離で余裕の離陸を見せた。この日は、上海崇明島上空を最大高度4000メートルぐらいの上空を旋回し、約1時間ほどの初飛行を行った。現地での報道では、テストパイロットが「こんなに操作がしやすい航空機は初めてだ。」とコメントをするほど、極めて順調な滑り出しであったようだ。

 ARJ21型機の位置づけは、あくまでも国産の支線向けのジェット旅客であるが、実際にはそれよりも少し大きいボーイング社のB737や、エアバス社のA320を十分に意識されている。特に、シートの幅に関しては、B737よりも3センチ広いのが売りともなっている。最大幅が、3.14メートル、天井高が2.06メートルというのも、支線向け航空機としては最大クラスで、かなり余裕があるといえよう。
 報道では、これまで6機が製造されており、2機が地上用の試験、4機が飛行用の試験に使われている。そのほか、続々と生産体制が整っており、今では年間20機を製造するレベルにまでなっている。

 さらに、注目されているのが、燃費の良さだ。最新の技術を駆使して機体の軽量化につとめ、ARJ21型機導入により燃費が向上し、航空運賃も8%〜10%安くなる見込みだ。
 ただ、初飛行後も、まだまだ試験や形式証明をとるための準備が行われ、ARJ21型航空機が正式に営業運行されるのは早くても2010年ごろになる見込み。また、開発段階から国際的な規定・規約に基づいて開発されているため、アメリカ連邦航空局からの認定を受けることにも成功している。さらに、アメリカを含む海外からも受注があり、初飛行段階での受注総数は208機にまで増えている。中国としては、初めて欧米に輸出するジェット旅客機としても注目を集めている。

 ARJ21型の初飛行成功を受けて、次なる目標として大型旅客機の開発に目が向けられている。まずは、今回初飛行に成功したARJ21−700型の派生型にもなるARJ21−900型の開発で、座席数は110席程度に増える。また、同時に本格的に大型旅客機としての座席数130〜200席規模の航空機を指す。もちろん、今回のARJ21型でも大型機開発のためのノウハウが蓄積されているのだという。現在、130〜200席規模の航空機は、世界の航空機市場の80%を占めるタイプの航空機だけに、中国の開発に対する意気込みも大きい。目標は、やはり性能・燃費面でエアバス社やボーイング社の旅客機を追い抜くことは言うまでもない。そして、上海南匯エリアに広がる臨港新城の工業エリアに、新たな航空機産業の基地が整備されていくことになる。上海にとっても、航空機産業発展の意義は非常に大きい。中国国産ジェット機が大空を駆けめぐる日はもうすぐそこだ。(以上)


 

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