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経済トピックス【2008年8月】
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WTO紛争における中国の敗訴について すでに日本などでも大きく報道されているが、世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関は7月18日、中国政府の自動車部品現地化に関する規定を、米国、カナダ、欧州連合(EU)が提訴していた問題について、訴えを大筋で認め、中国側の敗訴とする報告をまとめている。 この中で、これまでの中国の規定では、通常の部品輸入なら10%の関税ですむものの、完成車の60%以上で輸入部品を使っている場合、完成車の輸入並に25%の関税をかけるという点が問題となっていた。しかし、この規定により中国は自動車の部品技術を向上さてきたのも事実で、規定撤廃が将来、中国の自動車業界にどのような影響を与えるかが注目されている。将来、はたして自動車部品を輸入して、中国の合資会社で製品を組み立てて売るという方式が復活するのだろうか? 上海の現地紙『新聞晩報』の報道によると、2008年度のデータではGM、トヨタ、フオードが中国国内から調達する部品の量は前年比80億米ドルの減少で、この減少傾向はさらに続くと予想されている。一方で、アメリカの三大自動車メーカーが、2年以内に22億米ドル分の自動車部品を中国に向けて輸出するという協定が結ばれたばかりだ。こうした動きは、今回のWTO紛争問題と関係があるという見方は中国国内では強い。 中国で人気の高い高級車に関して言えば、例えばトヨタのレクサスブランドが中国での現地生産を行っていないように、国産化への腰はかなり重い。富裕層に圧倒的人気のベンツ・BMWも、実際には中国国産化率40%も満たしていないといわれている。そのため、常に価格競争でのハンディをもっていることは確かで、最近の人民元高がもたらす影響も無視できなくなっている。もし関税が劇的に下がれば、高級車の車両部品やエンジン、変速機、ハイブリッド関連の電子部品が国外からどんどんと輸入され、中国国産の部品メーカーが打撃を受ける可能性も高い。また、これまで中国国産ブランドを使っていた合資系の自動車メーカーも、使い慣れている本国の部品を輸入して、積極的に使うようになるかもしれない。 一方で、VWや広州ホンダなど早くから中国に進出している自動車メーカーは、中国国産化された部品を使ってコスト削減に成功している。VWに関して言えば、国産化率は80%を超えており、またこうした車の売り上げが中国のマーケットに占める割合が高いことから、一部専門家では今回のWTO紛争問題が与える影響は少ないともみられている。実際に現在も中国国内には1200社あまりの自動車関連の部品製造企業があり、人件費などが安いことをメリットに、中国国外に輸出している。 しかし、中国で製造されている自動車部品の多くは、いまだ最先端分野にまで達しておらず、技術向上を目指す時期でのWTO紛争に、中国国内メーカーは競争力強化の観点から一喜一憂している。特に、中国自身のブランドとして成長を目指す高度な技術を要するエンジンシステムやエアバックシステムなどへの打撃は大きいことだろう。同時に、中国国内にすでに投資をしている国外の自動車部品メーカーに関しても、関税が下がれば、当然中国国外からの輸入部品と競争することになり、中国国内での価格競争がさらに激化する可能性も示唆されている。 中国側は、今回のWTOの判断に不満を見せており、同様な自動車部品の関税制度を実行しているインドに対しても、なぜ欧米がWTO提訴を行わないのか、と不満を漏らしている専門家もいる。中国ではいま産業の構造変革が求められ、より付加価値の高い部品の生産を目指している。中国自身の技術力も年々上昇しているなか、自動車メーカーの部品現地調達と輸入部品との間での駆け引きが起こることも予想される。(以上) |