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経済トピックス【2008年3月】
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「金豚」で終わらなかった上海のベビーブーム
2007年2月に「金豚」と呼ばれる亥年のベビーブームが中国全土で起ったことを紹介したが、2008年の子年になっても、このべビーブームは続いている。今度は、民間で子年には女の子を産んだらよい、とか2008年はオリンピックなのでオリンピックベビーを狙ったりとか、様々なことがいわれている。ただ、一つ言えることは、中国が経済的に発展してきて、住環境も改善され、子供を産みやすい環境になりつつあるという点だ。 結局、2007年度の新生児の出産数は16万人超となり、2003年度の83403人と比較すると2倍近くに膨れあがっている。たった5年ぐらいの間に子供の数が急増していることは、上海市にとっても大きな試練となっている。また、2008年度に生まれる新生児の数は17万5千人と予想されており、さらに増えることは確実だ。こうした出生数の増加傾向は2015年まで続くという予想が出されている。 さらに、興味深いのは2008年の中でも7月〜8月生まれが急増するというのだ。もちろん、オリンピックの開会式8月8日とも密接に関係があるという。帝王切開が多い上海の場合、病院側の都合で出産日が決められてしまったり、母親が出産日を決めてきたり、自然の摂理に反するともいわれかねない行為が多い。 上海市の人口は、実は一時減少に転じていたことがあった。すなわち、1994年まではずっと減少傾向にあった人口が、2005年あたりから増加に転じて現在に至っている。人口の増加傾向は2009年まで続くものと見られているが、しかし現実には上海人そのものの出生率は急激には伸びないとしている。確かに、上海人の場合、一人っ子世代の前は子供が3人以上というのは決して珍しくないが、一人っ子政策以降、2人目を出産できる条件を満たした家庭でも、2人目を欲しがらない家庭は多い。これは育児に対する経済的負担の急増、住宅の高騰などとも関係があるとされている。 いずれにしろ、急激なベビーブームは社会に大きな影響をもたらしている。まず、上海以外の地域からも、上海で出産したいという妊婦の急増だ。一時、香港で出産するために赴く大陸人を香港当局が規制したが、江蘇省・浙江省一帯では相変わらず隣の上海で出産したいという願望が強い。そのため、医療機関の混雑が問題となり、多くの産婦人科では、初診を1日15人〜20人程度に制限するなど処置を講じている。そのため、実際に夜明け前から並んでいるという人も登場するようになった。また産婦人科に入院できても、いまや1人部屋や2人部屋の確保はほぼ困難になっていて、4人〜7人一部屋というのは当たり前、さらに帝王切開後の入院期間も大幅に短縮して問題なければ2〜3日で退院するのが当たり前になっている。 上海ならではの習慣として、出産後1ヶ月ぐらいの間、自宅にやってきて新生児の面倒などを手伝ってくれるアイさん「月嫂」も引っ張りだこ状態だ。こうしたアイさんには、育児の基本的な知識のほかに、高校卒業以上の学歴、さらに最近では英会話などもできることが求められるになっている。もちろん、技能が上がれば上がるほど値段は高くなり、1ヶ月あたり4000元以上が相場という話もある。 幼稚園の定員が足りないのも恒常化している。上海市では、いま幼稚園の建設を急ピッチで進めている。市の計画では、2008年度は市内50カ所に建設し、400〜500人の幼稚園の教師を急ピッチで育成することになった。これでも追いつかないのは現状で、これから3年〜4年間の間に上海市全体で不足する幼稚園の数は500カ所にもなるという試算が出されている。受験戦争が激しく、学歴社会の傾向が強い中国で、この子供たちが今後どのように成長していくのか、あまりにも突然におこったベビーブームを問題視する意見も多く出されている。(以上) |