経済トピックス【2008年1月】

 

歴史的意義の大きい中国の2008年

  いよいよ2008年が始まった。 

2007年の中国経済は、GDP115%の成長を遂げた一方で、年の後半では物価の上昇が顕著になり、CPI47%上昇して1996年以来最高を記録した。インフレに対する懸念が高まる中での年越しとなった。

一方で、人民元の切り上げもじわじわ進んでおり、20071227日には1ドル=73079元となって、過去最高値を更新した。2007年全体で6%を超える人民元の上昇は、当初予想の5%前後を超えるものだった。一方で、中国の貿易黒字は拡大する一方で、2006年は1775億米ドルだったのが、2007年度は2500億米ドルにまで増加した。好調な輸出を背景に、中国の外貨準備高も急増し、2007年は14000億米ドルを突破した。

2007年は、市民の株式への投資が急増した1年でもあった。200712月の上海・深センの株式に投資している投資家の数は、138億件を突破し、このうちA株だけで年間3700万件の増加となった。市民の投資熱は相変わらず強い。 

こうした中、新華社では2008年に中国で行われるビッグイベントについて、解説している。2008年は中国にとっても改革開放政策30周年を迎える節目の年でもあり、北京オリンピックの年でもある。そういった意味でも、中国の歴史に残る2008年となる可能性は非常に高い。 

まず、経済に関しては5年連続2桁成長をし続けている中国が、そのペースを維持できるかに注目が集っている。物価上昇が顕著になり、インフレへの懸念が日に日に高まっており、政府中央もそのコントロールに難しい舵取りが予想されている。2008年は過去10年来でも、より一層の金融引き締めが行われることが確実視されている。 

一方で、政治的には2008年は5年に一度の第十一回全国人民大会第1次会議や全国政協第十一回第一次会議が行われ、新しい中国政府指導部が選出される。さらに、新しい5カ年計画がスタートする年でもある。忘れてはならないのは、改革開放政策が始まって今年で30周年を迎えることだ。それにともなって、この30年間の中国の歩みがいろいろな場面で検証されるチャンスが増えることだろう。 

そして、2008年度は、法制度に関しても様々な新しい法律が施行された。特に、『労働契約法』や『企業所得税法』など企業の生産活動に直接影響する重要な法律がスタートした。労働者が、自分たちの働く権利を守る意識を高め、今までのともすれば「安い」一辺倒だった中国の労働力に対する認識が大きく変わることは必至だ。200881日からは独占禁止法に相当する「反壟断法」も施行される。これにより、企業の市場における独占行為や権力の濫用が法的に規制されることになる。中国経済の健全な発展に欠かせない法律が着実に整備されはじめている。 

2008年はいよいよ北京オリンピックの年だ。開会式が行われるのは200888日で、中国政府も国の威信をかけて成功を目指すことだろう。一方で、今年は中国の有人ロケット神舟7号が、いよいよ宇宙遊泳を行うことになっている。神舟5号、神舟8号と過去2回にわたって有人宇宙飛行を成功させた中国が、ついに宇宙飛行士をロケットの外の宇宙空間に出す。これにあわせて、14人の宇宙飛行士の訓練が行われていて、まもなく選抜も行われるとのことだ。 

格差社会が顕著な中国では、より一層「和諧」社会形成に力が入れられる。そのなかでも、社会福祉関連の充実が強く叫ばれている。2008年度は医療衛生システムの改革が行われ、とくに都市部と農村部との間の医療格差の是正が急務とされている。そこで、2008年度は農村部で運用されている新型農村合作医療と、都市部で運用されている城鎮居民基本医療保険の財政補助を従来の倍にする政策が決定した。さらに、2008年度は中国全国規模で無料の義務教育が実施されることになっており、中国の教育分野では歴史的な1年になるといわれている。 

そして、日中間では2008年は『日中平和友好条約』締結30周年を迎える。2008年春に胡錦涛国家主席が日本を訪問することは、中国サイドでも大きなニュースとして注目されている。中国の元首が日本を訪問するのは10年ぶりのことだ。これにあわせて、文化的交流や青少年の交流が深まることは確実だし、経済・外交面でも大きな進展が期待される。中国側では今回の胡錦涛国家主席の訪日に対する熱意が感じられる報道もよくされており、前回の福田首相の訪中記事も上海地元の新聞でも大きく報道されたのは非常に印象的だった。全体的に、中国では日中関係の促進を促す記事が多く、2008年は中国の隣国として、日中間で新たな次元での友好関係が構築できることを望みたいところだ。(以上)


 

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