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経済トピックス【2006年9月】
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目が離せない天津の濱海新区開発
濱海新区付近の様子 中国北部の渤海沿岸もいよいよ本格的な開発が始まっている。それが、今年2006年度でおそらくもっとも注目を浴びている天津の濱海新区だ。 中国では国家戦略的に経済開発を行っている。たとえば1980年代深セン経済特区、1990年代には浦東開発区などがそうだった。ただ、北方地区の経済開発は停滞が否めず、中国では「南高北低」などと言われた時期もあった。そんな中、21世紀に入って、天津の濱海新区が長期的な視野に立っての新しい工業開発区に選ばれた。 中国の北方エリアはもともと東方地方を代表するように中国の重工業の発展を牽引していた。さらに、中国北部は資源が豊かで、唐山のように鉄鋼業が盛んであったりするなど産業の基礎は充実していた。実際、1986年にトウ小平が天津を視察して天津の発展を提唱したが、本格実現になかなかこぎつけなかった。 渤海沿岸に位置する天津の濱海新区は、土地面積が1100平方キロメートルあるものの、そのうち15%は湿地帯であるため、開発に制限がかかっている。そのため、実質的には500平方キロメートルほどの面積となる。ただ、その広大な平地は、上海のように手狭になった開発区と比べると、その可能性を感じないわけにはいかない。
近代的なビルが出現しはじめている 天津市中心部とは、電車線となる濱海線がすでに完成しており、交通アクセスは便利になっている。また、首都北京とは新幹線クラスの高速鉄道の敷設が決まっており、開通すれば濱海新区と30分強で結ばれることになる。北京からの人材も、十分に天津で活用できるメリットが活かせる。
天津濱海新区の地理的条件として、中国西部の内陸部との距離が上海、深センと比べると格段に短い点もポイントだ。華東・東北と隣接するエリアだけに、地の利が非常にいいことがわかる。
高級ホテルも濱海新区に登場 政府中央はすでに天津港東疆港区に保税港区を設置することを明らかにしているが、これは上海洋山港に匹敵する規模となっている。また天津濱海新区管轄内では、ハイテク産業など条件に当てはまる企業に対して、深センや上海と同じように15%の優遇された企業所得税を設定した。他の東北エリアの工業地区と比べても税制面での優遇は多い。 一方で、天津濱海新区の開発では、上海浦東新区開発とまた違った特徴を持っている。特に大きいのが予算面での扱い方だ。天津濱海新区では、中央政府が政策的な優遇を与える一方で、直接的な予算がつかないという点だ。その代わりに産業発展基金を設立して、金融機関を通じて資金を公募するという形式をとる。 また、行政区分も上海浦東新区ではまったく新しく「浦東新区」を成立させたのに対して、濱海新区では従来の行政区分や行政機能は残し、新たに濱海新区管理委員会を設立させた。 上海浦東新区が開発されてすでに12年の歳月がたつ。その間の時代の変化に応じて天津濱海開発区ではいろいろ新しい試みが導入されているのだ。 今回の濱海新区の開発で、注目されているプロジェクトの一つに、2006年6月に批准されたエアバスA320シリーズの製造工場建設批准だろう。総投資額は80億元〜100億元規模と見られており、天津濱海新区では航空機産業の育成に力を入れることになる。現在、エアバス社が全世界でA320シリーズの組み立て工場を持っているのはフランスとドイツしかない中で、天津浜海新区が選ばれたのは、特筆に値する。中国政府も、大型旅客機の製造を国家重点プロジェクトに指定しており、まさに双方の利害が一致したといえよう。
天津市中心部の様子 天津濱海新区の開発は、今後渤海経済圏に新しい枠組みを作り出すことだろう。さらに、大連や青島など既存の工業都市との連携もこれから始まろうとしている。動向には目が離せない。(以上)
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