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経済トピックス【2006年6月】
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上海の建材市場とその展望
上海では最近、洒落たマンション街が増えてきている 2006年の上海は、結婚式ブームに沸いている。中国では、伝統的な観念から、結婚とともに新居を購入するという意識が非常に強い。仮に中古物件でも、上海では内装をしなおすということも多い。また、2006年から上海市では公的住宅ローンである「公積金」を使っての融資を受けて内装を行う制度がスタートした。これにより、今後も内装を行うマンションが増加するものと見られている。 ここで、まず上海における内装の常識を理解しなければならない。上海では、新築マンションの場合でも、そのほとんどが内装のないスケルトン状態で販売されている。どの程度のスケルトンかは、開発業者によって差があるが、一般に床や壁はもちろん、電気・水道などの配管工事の基礎的な工事も施主が行わなければならないことが多い。また、仮にお金を多めに出して、内装済みのマンションを購入しても、高級マンションでさえ、トラブル率は8割以上を超えているところが多く、最終的には自分で内装しなおすというケースがほとんどだ。 引渡し時の検査体制がまだまだ十分ではないのが現実で、また上海でマンション内装後の品質検査を行える機関も、たった3社しかない(2006年現在)。まだまだ法整備が未熟といえよう。
引渡しすぐのスケルトン状態 さて、マンションの内装工事となると、これも2通りのパターンがある。一つは、内装業者に委託して設計から施工まですべてお願いするパターンと、自分で大工を呼んできて、施主が施工管理までやってしまうというパターンだ。最近でも後者がかなりのウエイトを占めているのも、やはりコストと直接的に関係がある。上海人は中間のマージンが取られるということに関してかなり敏感だからだ。 大工と直接取引をする場合、施主が鉛筆一本、釘1本から材料となる木材まで自分で購入に走ることになる。また、信頼できる大工なら、自分の思うとおりにしっかりとやってもらえるという期待もある。仮に業者任せでも、日本のように材料を内装業者がすべて仕入れるというわけではなく、施主の意見がかなり多く取り入れられるのが特徴だ。たとえば、塗料関係の業者が入れば、そのペンキの材料を施主と業者と一緒に買いに行くのが普通だ。そのため、建材企業の宣伝努力が効力を発揮しやすいわけで、テレビなどをみるとペンキや便器、浴室、建材などのCMが非常に多い。 現場で働く大工は、施主の工事現場に住み込んで集中的に工事を行う。150平米程度のマンションなら、2ヶ月ぐらいで仕上げてしまう。大工が現場を掛け持つといようなことはまずない。上海で働く大工は、一般に江蘇省出身の出稼ぎ労働者が多いのが特徴で、上海人の大工はほとんど見かけない。 さて、施主が材料などを調達するわけだから、上海市内には多数の建材市場、ホームセンターが出来ている。建材市場の規模はどこも半端ではなく、木材からタイル、石材まで材料のほぼすべてが揃うといってもよい。最近では、高級志向から建材市場もまるで百貨店のような豪華な内装を施しているところも出てきた。また、建材市場は一般に一箇所に集中していることが多く、浦西なら宜山路や九星など、浦東なら恒大などに大規模な建材市場がある。
素人が木材を建材市場で買うにはかなり問題がある ホームセンターの場合も、日本のホームセンターと感覚がまるで違う。日本の場合、日用雑貨なども売られているが、中国のホームセンターでは、まるで建材の見本市のように、システムキッチンやトイレ、バス、蛇口、木材などあらゆる種類のものを見ることができる。 となると、材料の購入問題が非常に大切ということになる。例えば、日本へ留学した経験者がマンションの内装をする場合、日本での経験を反映させて、和室を設定するという話はよく耳にする。シャワー中心の中国でも、浴室を日本式の「湯船+洗い場」を自宅に持ち込みたいという人も多い。これら施主の構想を実現するには、それに対応した材料を見つけることがポイントだ。インターネットが発達した現在、サイトから海外の内装情報を手に入れることは簡単だが、実物をみるとなるとかなり大変で、内装経験者からなどの口コミなども大切な情報となる。日本からのお土産に「蛇口」がほしいという話を聞くが、決して笑い話ではない。 現在、上海では根気よく探せば、世界中のほしい建材はほとんど手に入るといっても過言ではない。和風の場合、ここ上海においては畳や襖、障子も決して高価なものであるという感覚はない。トイレにウオッシュレットを設置しているマンションも徐々に増えてきている。しかし、そんな上海で頭が痛い問題がある。それは、製品の品質の問題だ。 偽物ブランドが横行しているため、騙されたという施主の話はよく耳にする。彼らは、なにも好き好んで偽物を購入しているわけではなく、限られた情報の中で、本物と信じて買ったものが実は偽物であったというケースが多く、いわば被害者の一人なのである。昨今、大手のホームセンターに人気が集まっているのもそのためだ。大手なら信用できるという信頼感からきている。そのためには多少高くてもお金を出すことを厭わない。一般に上海人に限らず、中国全体でも、ブランドに対する信仰は強い。逆に、偽物が横行する背景には、そういった消費者心理もあるのは確かだ。 さらに、最近の傾向として、シックハウス症候群など、健康と環境に注目が集まっている点だ。この点では、まだ中国の建材関連企業の取り組みは相当に遅れていると言える。その結果、日本など海外ブランドに必然的に関心が及んでいる。例えば、大理石一つにしても、放射線の観測が不十分であったり、フローリングもホルムアルデヒドの検査が適当であったり、問題が山積している。その証拠に、2001年に北京児童医院が行った調査で、2歳から7歳までの白血病患者のうち、90%に自宅内装経験があるという結果を発表している。さらに一般に、内装後半年以上はマンションに人が住むべきではないといわれているぐらいだ。 2006年5月には上海新国際博覧中心で第十一回中国国際建築貿易博覧会が開催された。全世界34カ国から3000社が出展した今回の博覧会では、台所・トイレ・バス用品を中心に出展されたが、市民の関心は非常に高く、10万平方メートルの展示面積は大盛況であった。今回の展示会のテーマが「環境保全、省エネルギー、ハイテク、美観、実用」とあるように、これまでの単なる「個性的、豪華」という発想から、大きく転換しつつあることがわかる。 そういった意味でも、建材市場における日本企業の躍進は、やり方次第ではこれからともいえよう。(以上)
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