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経済トピックス【2005年12月】
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上海洋山深水港開港が上海にもたらすもの
2005年の上海のビッグニュースを列記するとすれば、間違いなくトップ1位、2位に入ると思われるのが、この上海洋山深水港の開港であろう。上海国際海運センターのある洋山深水港は上海南匯区の沖合い、長江の河口、杭州湾に位置する。 上海市は現在、「4つの中心」構想をもとに、そのインフラ設備を急速に整えつつある。この「4つの中心」とは、1.国際経済の中心 2.金融の中心 3.貿易の中心 4.海運の中心であるが、この洋山港はまさに海運の中心を目指す大きな足がかりとなる。 そもそも上海市にはこれまで水深15メートルクラスの大型コンテナ港が存在しなかった。そのため、上海へやってくる大型コンテナ船は上海近隣の港でコンテナの積み替えを余儀なくされていた。 1995年8月、そんな現状を打破すべく上海市に国際的物流の中心となるコンテナ港建設が洋山に決定された。足がけ10年を経て2005年12月10日に第1期のコンテナ港と洋山保税港区が完成した。第1期の設計年間コンテナ取り扱い数は220万TEUで、係船岸の長さは1600メートル、5艘の最新型パナナックス型のコンテナ船が停泊できる施設をもつ。また陸上とのアクセスは、長さ32.5キロの東海大橋で結ばれ、上下あわせて6車線の高速道路が海上を貫く。上海市内からはA2とA20の高速道路で直結され、高速道路を降りなくてもそのまま保税港区に1時間前後で到着する。鉄道によるコンテナ輸送も考慮され、浦東鉄路が開通し、中国全国の鉄道ネットワークと直結する。 浦東鉄路はこれまで鉄道がなかった浦東新区に新たな輸送ネットワークを形成させることになるであろう。 (※TEUとは「Twenty-feet Equivalent Unit」の略でコンテナの個数を数える単位。20フィート(約6メートル)コンテナ1個当たりを1TEUとする。中国語では「標準箱」。) 上海洋山港の開港が、近隣の省へもたらす影響も大きい。特にその効果が期待されているのが、もともと天然の良港を多く持つ浙江省だ。すでに浙江省嘉興港や温州港、台州港では洋山港からの支線航路を開設、洋山港を中心とした放射線状のコンテナ輸送ネットワークが完成しつつある。 一方で、洋山深水港の開港にもっとも危機感を感じているのは、世界10大コンテナ港の一つである韓国の釜山であろう。海洋立国の韓国は、釜山を日本・中国・韓国を含む東北アジア地区の中心港として力を入れていたからだ。そこで、洋山港開港を前後して上海にいち早く韓国政府の政策シンクタンクである韓国水産開発院(KMI:Korean Maritime Institute)が上海物流研究センターを開設、上海洋山港との新たな協力関係を模索している。 洋山港の開発はこれからも継続される。すでに2006年末完成を目標に、1400メートルの長さを誇る係船岸と4箇所のコンテナバースをもつ第2期工事が始まっている。洋山港第2期では、年間250万TEUのコンテナを扱う能力を持つ。上海万博が開催される2010年には年間取り扱い貨物量が1500万TEUに達する計画だ。目標は2020年までに上海に本当の意味での国際海運センターを形成することで、第1期工事では100億人民元、第2期工事では60億〜70億人民元が投資される。 上海近郊地区にもたらす影響
洋山港開港によって、もっとも直接的な経済効果が現れているのが、上海市の東南に位置する南匯区である。浦東新区に隣接する南匯区は、上海市の第十一5ヵ年計画の中で、浦東新区とともに上海市の4大重点経済発展地区の一つに指定された。その影響もあり、南匯区の発表では、05年11月までに世界50カ国から1200社あまりの企業が進出しており、投資総額は39億米ドルに達した。例えば、シーメンス社など多国籍大企業の進出が南匯区にもたらす経済的効果は大きく、05年の税収は前年比63%増の75億人民元が見込まれている。また、上海市を代表する大手不動産ディベロッパーも、南匯地区に不動産開発に着手しており、これからの発展が楽しみなエリアともいえよう。(以上) |