経済トピックス【2005年7月】

 

外資企業に対する借入金規制について


 今年1月、外貨管理局から「2005年中国内の外資銀行の短期外債指標査定に関する通知(匯発[2005]4号)」が公布され、親会社など海外機構の保証がある借入は、人民元借入であっても外貨管理局での偶発債務登記が必要となった。

 これによって、偶発債務登記は「総投資と登録資本金の差額」の範囲内しか認められないことになる。この通達は今年4月1日から施行されており、これまで外貨借入に対してのみだった借入制限が人民元にも適用されることになった。

 そもそも、総投資と資本金の比率については1987年3月に公布された「中外合資企業の登録資本金と総投資の比率に関する暫定規定」に基づいている。

  • 総投資金額がUS$ 3百万以下の場合
    資本金は、総投資額の70%以上でなければならない。

  • 総投資金額がUS$ 3百万超〜US$ 10百万以下の場合
    資本金は、総投資額の50%以上でなければならない。
    ただし、総投資額が US$ 4.2百万以下の場合は、最低 US$ 2.1百万の資本金が必要。

  • 総投資金額がUS$ 10百万超〜US$30百万以下の場合
    資本金は、総投資額の40%以上でなければならない。
    ただし、総投資額が US$ 12.5百万以下の場合は、最低 US$ 5百万の資本金が必要。

  • 総投資金額がUS$ 30百万超の場合
    資本金は、総投資額の3分の1以上でなければならない。
    ただし、総投資額が US$ 36百万以下の場合は、最低US$ 12百万の資本金が必要。
 この規定は外資企業全般に適用される。また、2003年の外債管理弁法の施行以降、この資本金比率が借入制限を目的に使われるようになった。

 では、今回施行された規定の内容はどのようなものか。「2005年中国内の外資銀行の短期外債指標査定に関する通知」は、外国の銀行の支店を含む外資銀行に対する指針を示した通達で、その中で「外資銀行の外貨担保問題」について具体的な基準が規定されている。

 まず「国内外資銀行は、国内企業の人民元借入に対して外貨担保を提供してはならない」ことが規定されている。ただし、人民元業務が開放されていない地域の外資銀行は、例外的に省・市内の外資企業が行う人民元借入のために、外貨担保を提供することができる。

 また、外貨預金を担保とした人民元融資については、「外資銀行は、外商投資企業に対して外貨預金を担保とした人民元貸付を行うことができる」としている。ただし、この場合、受け入れることができる外貨担保は、資本金口座と経常項目外貨口座に限定されている。

 海外機構の保証に基づく人民元融資の金額制限については、「内資・外資に関わらず国内の外貨指定銀行は、外資企業に人民元貸付を行う場合、国外企業が提供する保証(親会社保証など)を受け入れることができる」と規定している。

 ただし、国外機構の保証を元に人民元借入を行う外商投資企業は、所管の外貨管理局で、偶発債務登記(保証受入に関する登記)を行う必要があり、登記可能な金額は、外債管理弁法の総投資と資本金の制限に基づくことが規定された。


規定の結果と問題点

 これにより、外資企業が「外貨借入、もしくは海外からの保証をベースとした人民元借入」を行う場合は、借入金額が総投資と資本金の差額に制限されることになった。

 この動きは、「外資企業の借入と、外貨から人民元への換金に関する規制強化」であり、人民元切り上げを見込んだ、投機的な外貨の流入・人民元への換金を制限するのが狙いだ。

 しかし、この規定が厳格に運用されれば、企業の正常な経営活動が阻害されかねない。実際、保証や人民元貸付を明確に定義した補充通知(2005年4月に公布)を見る限り、かなり厳しい運用が予測されるため、今後の運用状況を注意深く見守る必要がある。

※参考記事――「外資企業に対する借入金規制の経緯と現状」水野真澄著)

以上


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