経済トピックス【2005年4月】

 

市場開放で出店攻勢を強める外資小売業  

 本欄の前回(第54回 WTO加盟3年目の流通業の市場開放動向)でレポートしたとおり、流通業の中国市場開放が進む中、外資系の小売大手企業が出店を加速させている。04年は10%を大きく上回る伸びとなったが、今年はさらに出店の勢いが増しそうだ。

中小都市への進出に意欲的

 これまでの出店は経済発展が進んでいる沿海部の大都市が中心だった。しかし、各社の今後の出店計画を見ると、空白地帯となっていた中小都市への進出を計画している点が特徴となっている。これは対外開放の中でも、特に出店地域の選択の自由度が高まったことが大きく影響している。

 ウォルマート(米)は今年末までに中小都市などに10〜20店舗を新規開設する予定。メトロ(独)も、中小都市を中心に出店を強化し、年末までに計10店舗の出店を計画している。カルフール(仏)は今後、北京、上海、深セン、広州に各12店舗を出店するとしているが、この4都市以外の主要都市にも各6〜8店舗を展開する。05年は計10〜15店舗を新規出店する見通しだ。


上海では過当競争に陥る懸念も

 また、各企業は中小都市を有望視する一方で、上海での出店にも積極的だ。現在、上海の大型小売店は外環状線の内側に集中している。政府の計画では2005年に60店、2010年に100店の大型小売店が完成する見込みだったが、現実はその数字をはるかに超えている。

 上海連鎖経営研究所の顧国建所長によると、2005年1月現在、上海の大型小売店は97店で、現在建設中のものを含めると、2005年末までに121店に増加することになる。現在、上海にはカルフール、楽購、世紀聯華など14の企業が進出しているが、今年5月には華東地区への出店に遅れを取っていたウォルマートの上海1号店が完成。パイの奪い合いは、ますます激しくなる見通しだ。

 一方の中国の流通企業は、外資系小売業の積極攻勢を迎え撃つために企業再編を進めている。上海市の主導で「一百集団」「華聯集団」「友誼集団」「上海物資集団」という上海の小売・物流企業が合併。新会社「上海百聯集団」の総資産額は1000億円、年間売上は500億元を超える。

 外資系企業と中国企業との競合は、すでに局地戦という形で現れはじめている。最近、浦東の聯洋地区ではカルフール(店舗面積8900u)が新規オープンしたが、そこから約800メートルの場所に易花蓮花(同約1万2000u)が出店。上海では商業圏3キロ圏内に新たなショッピングセンターを建設してはならないという規定があり、カルフールでは易花蓮花より早く同地区に進出を決めたとして対抗する模様だ。流通業においては国営企業の影が薄くなりつつあるものの、外資系企業と中国民間企業の間で、激しい火花が散るのは必至。とくに上海では過当競争に陥る危険性さえ指摘されている。

以上


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