WTO加盟2年目の中国市場開放の動向(2)〜貿易権
■WTO加盟にともなう中国の約束
中国は、WTO加盟時の約束として、加盟時(2001年12月)に貿易権取得に輸出実績、貿易均衡、外貨均衡、実績等の要件を課すことを撤廃し、加盟1年後(2002年12月)までに外国側の資本が50%以下の合弁企業に対して貿易権を付与し、加盟2年後(2003年12月)までに外国資本が50%超の合弁企業に対しても貿易権を付与し、そして加盟後3年後(2004年12月)までに全ての企業に対して貿易権を付与するとした(国家貿易品目として一部例外品目あり)。
■法制度の整備状況
2003年8月に「輸出入経営資格基準および審査許可手続の調整に関する通知」が公布され、中国企業が貿易権を取得するための最低資本金規制の緩和等が行われ、以降、中国企業による貿易権の取得が急増している。
一方で外資企業については貿易権の開放は進んでいない。この点について、2003年10月のTRM(市場アクセス委員会)においてWTO加盟各国より指摘がなされ、これに対し中国側は、現在「外国貿易法」の改正草案を作成中である旨回答した。同改正法においては、貿易権審査の撤廃や個人への貿易権付与等が盛り込まれる見込みである。
■外資企業をめぐる状況
昨今、中国国内での商品買い付けと保管・輸出を外資独自でできる「調達・輸出センター」設立認可、非製造業である保利佐川物流有限公司(佐川急便50%出資の合弁企業)による貿易権獲得、上海の保税区内製造業による貿易権獲得などが報じられており、外資企業に対する門戸は着実に開かれてきてはいる。
しかし、その開放は十分といえる状況には全くない。WTO加盟時の約束では2002年12月までに外資マイノリティの合弁企業に対して、2003年12月までに外資マジョリティ企業に対しても、一律に貿易権を付与するとされているにも関わらず、実際には極めて限定的な認可制度が行われている。さらに本年12月には全ての企業に開放されねばならないが、上記のとおり関連法規するまだできていない状態にある。
上記TRMにおいて米国は中国に対して、改正草案について、公聴会あるいは意見聴取を通して外国企業のコメントを受付けるよう要求し、中国もこれを承諾したが?004年1月に到るまで同法案への意見徴収等は実現していない。
先月の本欄で記した流通業にしてもそうだが、中国のWTO加盟に伴う約束の履行状況はここにきて緩慢になってきているように思われる。貿易権は多くの日系非製造企業くが取得を強く希望している分野であり、速やかな開放が望まれる。
以上 |