対外支払い(送金)の取扱いについて
中国は現状、極めて厳格な外貨管理体制をとっておりその内容も多岐に渡っています。
一般に貿易決済取引と貿易外決済取引において海外送金を行なう際、どのような取引が可能で、どのような手続きをすればよいのか。今回は注意を要する代表的な例を紹介します。
T.貿易決済
中国では外貨管理上、経常項目の支払いは原則自由、資本項目の支払いは、原則許可が必要であることが規定されています。
| 取引種類 |
取り扱いの可否 |
| @中国国内取引に関わる対外送金の禁止 |
貨物の積出地、到着地ともに中国の場所と記載されている通関申告書に基づく外貨の購入、対外送金は不可。 |
| A加工貿易に関わる対外送金の禁止 |
来料加工、来件装配、来様加工と記載がある通関申告書に対外送金の禁止。 |
| B90日超のユーザンス付き決済 |
従来90日超のユーザンス付きで輸入を行なう場合、輸入通関日より15日以内に外貨債務登記を行なう必要があったが、昨年規制緩和がされ、登記手続きは原則不要となった。 |
| C輸入契約額の15%を超え且つ10万米ドル以上の商品代金前払金 |
外貨管理局にて輸入契約書、輸入支払確認書等の輸入確認が必要。 |
| D仲介貿易による対外支払い |
「売買契約書」「インボイス」あるいは「信用状」、外貨管理局発行の「仲介貿易承認書」が必要。なお仲介貿易に伴う対外支払いの場合には、"入金後、支払う"という原則があり、入金に先行して支払うことはできない。 |
| E見本(サンプル)代金の支払い |
一般貿易としての取扱い。金額が500米ドル以上の場合には通関手続きが必要となる。契約書上に代金支払いと記載されている場合に限り、送金可能。 |
U.貿易外決済
現在中国では外貨管理規制および納税管理の強化から、企業の場合は1千米ドル以上、個人の場合は500米ドル以上での海外送金の場合、銀行での納税証明書の提示が義務付けられています。
| 取引種類 |
取り扱いの可否 |
| @配当金の支払い |
適正な配当(処分可能利益からの配当)で、適正な利益処分手続きを経た配当金の支払いであれば、銀行の窓口確認のみで可能。なお配当送金は経常項目とされている。 |
| A人件費の送金(中国企業に出向している人件費の一部を、出向元企業が日本で立替えており、(出向元の企業が出向者の中国の個人口座に振込む)この立替金額を出向先企業から出向元企業に海外送金する場合) |
以前は適切な個人所得税納税が行なわれていれば外貨送金が可能であったが、昨年半ばに当局より送金禁止の通達が出された。これにより出向社員は、報酬の全額を一旦中国にて人民元で受取り、中国で使用しない分については「個人が銀行で外貨を購入」し、その上で海外送金をする必要がある。個人の外貨購入については、以下の書類を用意したうえで、個人所得税の申告所得額の範囲内であれば可能。・外貨購入申請書・パスポート、雇用証明書等の身分証明書・人民元給与明細、納税証明書 |
| Bリース料の支払い |
外貨建てファイナンス・リース料の支払いには「リース契約書」「請求書」「外匯貸款登記証(外債登記の一種)」および外貨管理局による「リース料支払許可証」が必要となる。 |
| Cロイヤリティ送金(技術使用料、商標権使用契約) |
ロイヤリティ契約内容により必要書類がことなるが、原則は以下の書類を用意し、銀行へ提出・確認を受けた上で送金可能。・中国語で作成された「ロイヤリティ契約書」・対外経済貿易委員会の承認文書(「技術導 入批准書」等)・親会社等からの「請求書」・「完税証明書(納税証明書)」・「外匯登記証(外貨登記証)」 |
以 上
2003年4月
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