経済トピックス【2003年03】


WTO加盟1年〜中国の貿易をみる

 2002年の中国の対外貿易と外資誘致は、WTO加盟の追い風に乗って順調に拡大した。それとともに中国は貿易と投資環境の整備を加速した。昨年中国は1月から5,000品目の輸入関税を平均して15.3%から12%に引き下げるとともに、輸入割当、輸入許可証などの管理品目を削減した。同時に対外貿易権緩和など輸出入振興策の実施や中東、南米、インドなど新市場開拓に向け、一層の輸出ドライブをかけた。

  4月には新たな「外国企業投資産業指導リスト」を交付し、外資比率の緩和や金融、商業、通信、運輸などのサービス分野開放に向けた環境整備を行い、外資企業誘致に努めた。 また、国家発展計画委員会は先ごろ、インフラ建設、渉外法規などの整備環境面においても道路・輸送体制、給水、電力などの整備と紛争の合理的解決に向け、法規の整備が急務だとして新たな投資環境の整備計画を打ち出した。
先月10日の国家税関総署の発表によると、2002年中国の貿易総額は6,207.9億米ドル(前年比21.8%増)で、初めて6,000億米ドルの大台を突破した。輸出は3,255.7億米ドル(同22.3%増)、輸入は2,952.2億米ドル(同21.2%増)で貿易黒字は2001年より78億米ドル多い303.5億米ドルとなった。

 会世界経済低迷の影響を受け各国の貿易が鈍化する中、中国は貿易緩和など貿易簡便策や増値税(日本の消費税に相当する税金で物品の仕入・製造・販売に際し、その取引金額に原則17%課税)還付などの輸出奨励策を実施した。さらに多くの外資企業が生産を中国にシフトさせ加工貿易が拡大したことに加え、外資企業による部材輸入と製品輸出などが大きく貢献した結果と言える。また中国の投資緩和策の実施に伴い、巨大な消費市場を求めて多くの外国資本がやってきた。

対外貿易経済合作部の発表では、昨年中国が受入れた外国企業直接投資額(実行ベース) は527.43億米ドル(前年比12.51%増)、外資企業認可件数は3万4,171件(同30.72%)、外資契約額は827.68億米ドル(同19.62%増)に上った。しかし増大する貿易と投資のなかで問題の発生も少なくなかった。
日本製などの鉄鋼製品に対する輸入制限、DVD特許料支払い問題、野菜の基準を超える残留農薬および動物性食品の抗生物質残存問題などである。輸出商品を安定的に拡大するには、品質を国際標準化するとともに輸入国の基準に合わせることが必須条件となる。中国は国内産業の保護を打ち出しているが、一部需要家には品質問題等から、国内品ではなく輸入部材への需要が大きいことも事実となっている。


 現在、外資企業が中国の経済発展に果たす役割は極めて高くなっている。対外貿易経済合作部の2001年統計資料によると、外資企業の税収は全国税収総額の19%、同じく工業生産額(付加価値ベース)は24%、輸出額は50%、外貨決済黒字額の78%、外貨準備高増加分の73%を占め、外資企業就労者は2,300万人と、全国都市部就労人口の約10%にあたる規模に拡大している。2008年北京五輪、2010年上海万博の開催に向け、そして新たなGDP4倍増実現のため、外資企業の役割がますます増大することは疑いがない。同時に経済上の問題も多くなってくるだろう。
 中国がWTO加盟国として、世界の貿易大国として、貿易や投資面での摩擦や様々な問題を今後どのように解決していくのかが、2003年の課題を言える。当然、解決には政府間での調整が必要と思われるが、あわせて当事者で協議を行える民間ルートの確立も必要と考える。

 
 

 



 

以 上

2003年3月


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