経済トピックス【2003年02】


2010年、上海万博の概要とその経済効果

 2010年万博の開催地を招致するため、上海市は積極的なプレゼンテーション活動を行っていたが、昨年12月3日モナコにおいて遂に上海市が開催地に決定した。世界博覧会史上初の激戦で4回目の決選投票の結果、上海市が過半数の票を得るに至った。招致にあたりモスクワ、ポーランドのブロツラフそして韓国の麗水などが名乗りを上げたが、中国上海市に決定したことで発展途上国としては世界初の万博開催となった。

  万博開催予定地は黄浦江中流にあたる南浦大橋と盧浦大橋をはさんだ浦東、浦西地区で大阪万博(1970年)に比べ約2割広い総面積400ヘクタール。そのうち浦東地区は260ヘクタール、浦西地区は50ヘクタール、この他駐車場・バスターミナル用敷地が60ヘクタール、万博村用地が30ヘクタールとなっている。なお、開催地開発のための投資金額は83億元(約1,245億円)を見込んでいる。さらに国家プロジェクトである万博会場を含む黄浦江両岸の開発には投資総額1千億元(約1兆5千億円)が投入され、黄浦江では初めての歩行者専用で博覧会場のシンボル橋となる「花橋」をはじめ、人工島や娯楽施設、大型ショッピングセンターなどが建設される予定となっている。また、博覧会場まで1日あたり最高70万人の移動を可能とする輸送手段を確保し、ホテルは7〜8万室を整備する計画もある。
 上海万博期間中には、少なくとも5千万人の観光客が上海市とその周辺都市を訪れることが予想され、メディア界では万博収入が約90億元(約1,350億円)に上ると見ている。入場料を150元、入場者数を4,500万人で計算すると、チケット収入は67.5億元に達する。この他、飲食収入9.8億元、飲料水収入5.5億元、記念品収入4.5億元などが見込まれる。
 会場周辺の交通・通信網などのインフラ整備では、都市交通を例に挙げると2010年までに交通網を現在の65kmから400 kmまで延ばす計画があり、相当数の車両や機電設備が整備されることとなる。また商業地域の再開発、会場となる黄浦江沿いの旧市街地取り壊しなども含めれば、上海市政府による総投資額は207億元(約3,105億円)にまで膨らむとも予想されている。


 中国は1993年に国際展覧会協会へ加盟した。1999年12月に中国政府が万博への立候補を正式に表明、その後2000年3月には上海世界博覧会申?委員会を発足させた。
 万博は「経済のオリンピック」と呼ばれており、上海経済の発展をさらに促す需要な起爆剤となるのは必至と見られている。中国の国土の1%を占める大上海経済圏は全人口の6%、国内総生産(GDP)の20%を占めており、周辺都市は「上海万博経済圏」として発展を遂げようと考えている。また中国の主要88都市を対象にした調査では「投資環境が良い」とされる上位10都市のうち、1位の江蘇省昆山市をはじめ同省蘇州市、揚州市、浙江省寧波市など大上海圏の都市が7つを占めた。上海万博の誘致成功で、貿易、物流、都市計画・建設、展覧会などの分野で外資企業との協力が今後さらに進むと思われる。

上海万博のテーマは「Better City Better Life(都市、さらなる素晴らしい生活)」。会期は2010年5月1日から10月31日までの約180日間となっている。

 
 

 



 

以 上

2003年2月


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