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経済トピックス【2003年01】
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| WTO加盟にみる中国経済 中国がWTOに加盟して1年が経過した。この間、中国の製造業では機械・電子および通信設備製造業の国際市場環境が一層されたため、携帯電話やパソコンなどを製造するIT関連産業が最大の恩恵を受ける業種となった。反面、紡績品、毛皮・羽毛製品、非金属鉱物製品、金属製品など労働集約型あるいは資源集中型産業は資源とコスト面の優位性から従来国際競争力を有している輸出産業であったが、WTO加盟後、紡績産業を除き大半の産業は輸出増加が止まり下降傾向となるなど加盟の恩恵は限られている。 産業成熟度、市場開放度、生産経営能力などから判断し、最も影響を受けると予想されていたのが自動車産業。しかし今年1月から10月までの輸入車はわずか10万台で、加盟前の水準に比べ10%しか増えていない。ただ国内の生産は好調で前年比35%増の282万台に昇っている。これは国内メーカーが関税引下げを前に値下げを実施したことに功を奏した形であるが、来年の輸入割当は今年より15%多い92億ドル、関税率は5.6%引下げられる予定であるため、輸入車が増加することは避けられない見通しとなっている。 WTO加盟で一気に開放が加速したのが金融業界。現在中国には147の外国銀行の支店があり、外貨建ての貸出シェアは全金融機関の20%と、この2年間で3ポイント上昇した。中国の銀行にとっても魅力的な貸出先である外資系企業向けの融資が大半。規制が残る人民元建て融資のシェアは1%に過ぎないが、サービス・信用度などで優位にたつ外国銀行がいずれシェアを伸ばすのは必死とみられる。このため、中国人民銀行は外国銀行の支店ごとに人民元建て融資に対し8%の自己資本を積むよう義務付けたり、銀行間市場での人民元調達を全調達額の4割までにする上限を設けるなど預金獲得が難しい外国銀行を狙い撃ちした規制の準備も進めている。保険業界ではWTO加盟時に4社が認可されていたが、今年に入り日系を含め6社認可を受け1年間で10社と比較的早いペースでの進出となっている。また政策面では、自動車保険の保険料率が2003年から自由化される見通しで計画経済色の強い政策は姿を消しつつある。 中国での年間粗鋼生産が1億5千万トンと今や世界最大の鉄鋼産業。それでも旺盛な内需をまかないきれない。しかし昨年以来、欧米を中心に鉄鋼製品の輸入制限が強まりWTO加盟で関税を引下げた中国に、行き場を失った海外製品が大量に流入する自体が発生したため、その対抗措置として緊急輸入制限(セーフガード)を発動した。正式発動では熱延鋼板や冷延鋼板、電磁鋼板など5品目27品種を対象とし今年5月24日から2005年5月24日までの3年間の輸入製品について、割当を超過したものについては10.3%〜23.2%の特別関税を加算するとしている。対象品目のうち冷延鋼板や電磁鋼板など高品質なものは、現在中国では調達が難しいため進出している外資系企業への影響が避けられない模様となっている。 WTO加盟後、企業間の競争は一段と激化している。競争力を失った国有企業では給与だけではなく、一時帰休者や退職者への手当ても不払いになりがちで、労働者のデモが各地で頻発する原因となるなど中国政府は急速な経済の変革に伴う国内の影響に警戒感を強めている。WTO加盟は外資企業間だけではなく、中国企業にも激しい国際競争をもたらしており、国内への衝撃をいかに最小限に抑えるか、中国政府は市場開放のタイミングと手法を探っている。
以 上 2003年1月 |