経済トピックス【2002年11】


 外国投資企業と税務(3) 

 これまで2回にわたり外国投資企業に関する企業所得税について紹介したが、3回目の今回は流通税(増値税・営業税・消費税)について述べてみたい。
 1994年1月の税制改革により、従来外国投資企業に適用されていた工商統一税が廃止され、現在の増値税、営業税、消費税という体系に改められた。この流通税改革の特徴は、工商統一税のような累積課税型流通税と呼ばれる体系から、累積控除型流通税である増値税が部分的に導入されたことで、より市場経済に適応した税体系に改められたことにある。以下、各流通税の概要を紹介する。

【増値税】
 増値税とは英語の“Value-Added Tax”を中国語に翻訳したもので、EC諸国で広く採用されている「付加価値税」のことを意味する。日本の消費税に相当する税金で、財貨の販売または加工・修理・修理補修役務の提供等に対し原則17%が課税される(増値税は最終的には消費者が負担)。納税額は、売上税額(売上額x税率)から仕入税額(購入額x税率)を差引いた金額で、月に一度外税の形で税務局へ納付する税金である。
(1)納税義務者
財貨の販売または加工・修理・修理補修役務の提供および財貨の輸入を行う企業、個人。
(2)課税項目と税率
項 目
税 率
財貨の販売、輸入、加工、修理等の役務提供 17%(基本税率)
以下の財貨の販売、輸入
穀物、食用植物油、水道水、スチーム、冷気、熱水、ガス
石油液化ガス、天然ガス、メタンガス、消費者用石炭製品
 図書、新聞、雑誌、飼料、化学肥料、農薬、農業機械、
農業用合成樹脂フィルム、その他国務院が定める財貨
13%
財貨の輸出 0%


(3)非課税項目(項目が多岐にわたるため、代表的なものを記載)
・農業生産者が販売する自己の農産物、避妊薬品および器具、古図書、科学研究や科学 試験等に使用する輸入測定機器・設備、外国政府や国際組織による無償援助の輸入物 資・設備。

【営業税】
値税が財貨に課税されるのに対し、営業税は役務提供や無形資産の譲渡、不動産の販売に課税される。営業税と増値税は課税対象を分けているため、2つの税金が同時に課税されることはない。納税額は、営業額(売上額)x税率となる。営業額とは上述の課税対象を行うに際し、納税者が相手方から受取るすべての代金と代金以外のその他の費用の合計額を指す。
(1)納税義務者
中国国内で課税役務の提供、無形資産の譲渡または不動産の販売を行う企業、個人。
(2)課税項目と税率
項 目
税 率
交通運輸業:陸路、水路、航空運輸等 3%
建設業:建築、据付、修繕、装飾等の工事 3%
郵政・通信業 3%
文化体育業
3%
サービス業  :ホテル業、飲食業、旅行業、リース業等
5%
無形資産の譲渡:土地使用権、商標権、著作権等の譲渡
5%
不動産販売  :建築物およびその他の土地付帯物件の販売
5%
金融保険業
8%
娯楽業    :カラオケ、ゴルフ、ボーリング、歌舞廰等
20%

 
(3)非課税項目(項目が多岐にわたるため、代表的なものを記載)
・幼稚園、老人ホーム、身障者福祉施設が提供する役務、身障者個人が提供する役務、 学校等の教育活動、農業・水産業などの関連サービス、宗教活動の入場料収入等。

【消費税】
 中国の消費税はいわゆる嗜好品や奢侈品と呼ばれる物品を課税対象とした税金で、日本における間接税(酒税、たばこ税、自動車重量税等)に相当する税金。前述のとおり、日本の消費税に相当するのは中国では増値税である。納税額は、売上数量x単位あたり税率となる。
(1)納税義務者
特定の課税消費物品を生産、委託加工および輸入を行う企業、個人。
(2)課税項目と税率(項目が多岐にわたるため、代表的なものを記載)
項目
税率・税額
煙草
@甲類紙巻煙草(各種輸入紙巻煙草を含む)
A葉巻煙草
45%
40%

ビール(課税単位:トン)
220元
化粧品(セットの化粧品を含む) 30%
ガソリン(課税単位:リットル) 0.2元
自動車(小型乗用車)
@排気量2000cc以上
A排気量1000cc以上2000cc未満
8%
5%

(3)非課税項目
 ・輸出品、自家用に連続して生産する消費品。 >

以 上


2002年11月


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