経済トピックス【2002年10】


 外国投資企業と税務(2) 

今回は企業所得税の2回目として優遇措置について述べてみたい。前回紹介したとおり、外国投資企業の企業所得税の税率は、企業所得税(国税の部分)30%と地方所得税(地方税の部分)3%の合計33%を原則としている。但し外国投資企業に対しては、投資後一定の要件に合致した場合の一定の期間において減免される「期間減免税」や地域および業種における「低減税率」といった企業所得税の優遇措置が適用されている。 以下、代表的な優遇措置と適用企業を紹介する。

1.期間減免税 @ 二免三減(利益を計上した年度から2年間は企業所得税を免除、その後の3年間は
業種
条件
生産型企業
経営期間10年以上。但し、石油・天然ガス等の開発採掘に従事する企業は、国務院が別途規定するものを除き、適用対象外。
輸出型企業 生産型企業のうち、年度の輸出製品の生産高が製品生産高の70%以上となる場合。
先進技術企業
所管の税務当局の認可を受けた場合。
A 一免二減(利益を計上した年度から1年間は企業所得税を免除、その後の2年間は半減とする措置)
業種
条件
サービス企業
経済特区に設立された企業で経営期間が10年以上、投資金額が5百万米ドルを超える場合。
非生産型企業 上海外高橋保税区の貿易・倉庫等の非生産型企業で、経営期間が10年以上の場合。
金融機関
経済特区および国務院が認可した場所に設立された外資銀行、中外合資銀行等で、資本金が10百万米ドル超、経営期間が10年以上の場合。
 
2. 低減税率
地域・業種など一定の要件を満たした外国投資企業に対し、企業所得税を5割(15%)もしくは8割(24%)に減じて徴収することが認められている。同様に地方所得税についても条件次第で、半減もしくは免除が適用される。
@
15%低減税率の適用企業
・ 経済特区、経済技術開発区に設立された生産型企業。
・ 保税区、輸出加工区に設立された企業。
・ 高新技術産業(ハイテク)開発区に設立され、ハイテク企業と認定された企業。
・ 上海浦東新区の生産型企業、一定のインフラ関係に従事する企業。
・ 沿海経済開放区と経済特区および経済技術開発区の所在する都市の旧市街区、または国務院が定めるその他地域に設立されたエネルギー、交通、港湾・埠頭建設に従事する企業。
A
24%低減税率の適用企業
・ 沿海経済開放区と経済特区および経済技術開発区の所在する都市の旧市街区に設立された生産型企業(15%の税率適用企業を除く)。 ・ 国境開放都市、内陸地域の省政府所在都市および長江沿岸開放都市の生産型企業。

次前述のとおり、現在の企業所得税の基本税率は外国投資企業、内国企業とも33%であるが、現実的には経済特区や経済技術開発区、保税区等に設立される外国投資企業に対し、上記で述べた優遇措置が適用されている。しかし中国企業からは、WTO加盟により「内外無差別」原則が適用され外国企業の差別がなくなるのなら優遇措置もなくすべきとの意見が強く、外資優遇税制の撤廃を政府に訴え続けている。これを受け中国政府は外国投資企業の税率引上げ・内国企業の税率引下げという企業所得税の統一を目指している。企業所得税統一後の税率は24%〜27%程度になるとの見方が一般的であるが、その他各種優遇措置の取扱いも含めて今後の推移を見守りたい。

以 上


2002年10月


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