| 【保税区】 |
| 1.設立目的・地域 |
| 保税区は、1990年に国務院の承認を得て税関が監督する特別地域として設置、同年6月に上海外高橋が第1号として認可されたのに始まり、1997年3月までに15ヶ所の保税区が設置された。設立目的は、中継貿易、通過貿易、加工貿易、貿易に伴う加工・整理・包装・運輸・貯蔵・商業展覧等の業務を、税関手続き等で優遇政策を与え発展させようとするためのもの。このような目的から、加工貿易を行う製造業の他に第
3次産業、すなわち貿易業、金融業、保険業、倉庫業、物流業、保税展示場等の企業誘致を行っている。第3次産業の誘致は他の経済地域には無く、保税区の特色となっている。設立地域としては上述の上海外高橋の他、大連、天津港、厦門、広東汕頭など15ヶ所で、沿海地区もしくは長江下流域の国際航路に直接繋がる地域、さらに華中から華南の香港や台湾の投資が多い地域に設置されている。 |
| 2.利用方法 |
| 保税区の利用方法として次の2点が挙げられる。1つ目は保税区が本来持つ特色である貿易拠点としての利用である。輸入貨物を中心として、関税や増値税等の資金負担の軽減を図ると同時に、簡便な税関手続きを通じ迅速な物流を実現させる機動性の高い貿易システムを構築する際には有効と思われる。現状では外資が単独で貿易会社を設立できるのは保税区のみであり、そのことが保税区を特色付けている。但し、貿易会社の設立は可能であるが貿易権は与えられていないので、輸出にしても輸入にしても、一般地
域との取引には必ず一般地域側の取引相手が輸出入許可を所持していなければならず、保税区の貿易会社が単独で中国にて輸出入を行うことができない点は注意を要する。
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| 2つ目は製造拠点としての利用である。原材料を輸入し製品を輸出する際には、輸出入手続きが簡便で資金負担も軽いため、他の地域に比べ保税区は明らかに有利と言える。しかし、原材料を中国国内調達する場合は、製品を輸出しても原材料分の増値税が還付されないため、一般地域で加工して輸出する場合に比べ負担増となる。製品を中国内に輸入する場合は製品に対する課税となる。すなわち保税区で発生した費用にも関税が課税されるため、一般地域での製品加工(輸入原材料に対してだけの課税)に比べ、コス
ト競争力という点では不利と言える。また中国国内の原材料を使用する際には、製品コストに含まれる国内原材料に対しても関税と増値税が課税される事になる。特に増値税に関して述べると中国国内から保税区に輸出する際の増値税は還付されないため、二重課税が行われることになる。税率が17%と高いので中国国内マーケット対象の事業は、非常に難しいと言える。 |
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| 【輸出加工区】 |
| 1. 設立目的・地域 |
| 2000年4月、中国政府は加工貿易が分散して行なわれていた現状を徐々に改め、出入りを制限する特別区域管理に移行する方針を表明、加工貿易管理の強化・管理、輸
出加工区に対する税関の監督管理の規範化、輸出加工区の健全な発展の促進、対外貿易輸出拡大の奨励を目的として輸出加工区の設置を決めた。
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| 同時期、国務院が輸出加工区の設置を認可、製品輸出の加工貿易および輸出加工関連の倉庫、運輸業に限定される地域とし、税関が24時間監視・管理を行うこととなっている。設立地域は江蘇昆山、上海松江、浙江杭州、武漢、成都など15ヶ所。すべて既存の経済技術開発区の一角を利用して設立、保税区に比べ輸出加工区では内陸奥地での設置が目立つ。 |
| 2. 利用方法 |
| 文字通り輸出加工の促進を目的として設置された地域であるため、輸出加工会社、輸加工会社の生産にサービスを提供する専門の倉庫会社、あるいは税関の許可を得て専門的に輸出加工区の貨物を搬出・搬入に従事する運輸会社などが設立対象となり、商業小売、一般貿易、中継貿易およびその他の輸出加工区と関係がない業種は対象外となる。 |
| 輸出加工区は、@輸出増値税が発生しない。A輸出加工区に持込まれた機械・設備は5年経過後には、免税販売が可能となる。B輸出加工区内に出入りする貨物については、加工貿易保証金台帳制度を適用しない。C輸出加工用の原材料は保税で輸入可能、また中国国内から原材料を調達、加工後輸出する場合には輸出加工区に搬入された段階で増
値税が還付される。D輸出加工区内と中国国外の間には輸出入貨物に対して貿易上の制約を受けない、等のメリットを享受できる。一方、一般には輸出加工区内の会社は区外会社に対し製品の加工を委託することができない(特例として主管税関の許可を経て委託加工は可能、加工を委託する期限は6ヶ月)、また貿易会社の設立は認められていない等のデメリットもある。なお輸出加工区で生産される製品は、原則として全数量、最低
でも70%を輸出販売する必要があるため、中国国内での販売を志向する企業には不向きと言える。 |
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以 上
2002年8月
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