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前回はWTO加盟を機に中国へ進出する外資企業をその進出形態から述べてみたが、中
国への進出形態が決まった場合、つぎはどこに進出すべきか、という場所の選定が必要となる。場所の選定に当たっては、部材調達の容易さ(部品メーカーの集積度合い)、交通の利便性、地域の運用方針の透明性(種々雑々な地方税、費用の徴収などないか)等、各種検討が必要となる。
中国では1978年の改革開放政策への転換以降、「外資導入・先進技術導入・輸出拡
大」という3つの戦略のもと、対外開放を促進し、外国企業を誘致するために税制をはじ
めとする様々な優遇を約束した幾通りもの特別な経済地域を設けてきた。経済地域には、
経済特別区、沿海開放都市、経済技術開発区、高新技術(ハイテク)開発区、内陸開放都
市、保税区、輸出加工区等があるが、今回はこれらの経済地域について紹介してみたい。
| 【経済特別区】 |
| 経済特別区は深セン、珠海、広東汕頭、厦門、海南島の5箇所に設立されており、中国
の経済改革・開放の試験場として位置付けられ、弾力的な優遇政策の適用により外資企業の導入の拠点となってきた場所である。経済特別区では、外資企業に対する企業所得税率が15%(一般地域では30%)と軽減されているだけでなく、事業内容に応じて各種のタックスホリデーが享受できる。なお、経済特別区が所在する都市の旧市街地に設立された生産型企業で15%の税率が適用されない企業の場合は、24%の企業所得税が適用される。 |
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| 【沿海開放都市】 |
| 大連、秦皇島、天津、煙台、青島、連雲港、南通、上海、寧波、温州、福建福州、広州、
湛江、北海の14箇所に設立。経済特別区に次ぐ開放措置のひとつで、この地域内の生産 型企業は企業所得税が24〜27%に軽減される。
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| 【経済技術開発区】 |
| 経済技術開発区は、中国国内の32箇所に設立。沿海開放都市および一部の内陸開放都
市の中に旧市街地とは区別して設置された特別地域で、ここに設立された生産型企業は経 済特別区に準じた優遇政策(15%の企業所得税)が適用されるが、優遇措置は経済特別
区に比べればやや少なくなる。 |
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| 【保税区】 |
| 保税区は、1990年に国務院の承認を得て税関が監督する特別地区として設置された地域でいわば国内に設置された海外である。現在、上海外高橋、天津港、深セン沙頭角、深セン福田、深セン塩田、大連、広州、江蘇、張家港、海南口、青島黄島、寧波北侖港、広東汕頭、福建福州、厦門の15箇所に設置されている。生産型企業の企業所得税は15
%の優遇税率が適用されるが、一番特徴的なのは、他の地域では禁止されている独資(100%外国資本)による貿易会社の設立が認められている点である。このため貿易会社の
設立を目的とした企業が、保税区に多く進出し輸出入取引・中国国内取引を行っている。 |
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| 【輸出加工区】 |
| 輸出加工区の登場は2000年と新しい。位置付けは準保税区といってもよいものだが、
比較的内陸部にも設置されているのが特長である。文字通り輸出加工の促進を目的として設置された地域で、大連、天津、北京天竺、煙台、威海、江蘇昆山、江蘇蘇州工業園、上海松江、浙江杭州、厦門杏林、深セン、広州、武漢、成都、吉林の15箇所。すべて既存の経済技術開発区の一角を利用して設立された。輸出加工区も他の地域と同様に15%の企業所得税が適用される。また、輸出加工用の原材料は保税で輸入でき、中国国内から調達する原材料は輸出加工区に搬入された段階で増値税が還付されるという、他の地域には無い優遇措置が図られている。但しこの地域で生産される製品は、原則として全数量、最低でも7割を輸出する必要があり、中国国内での販売を志向する企業には不向きといえる。
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上記に紹介した地域以外にも中国最大の開放区であり、ある意味では経済特別区以上の 優遇措置が適用される「上海浦東特別区」、沿海部と内陸部の格差是正を目的とし設置さ
れた「内陸開放都市」、ハイテク産業育成を目的とした「高新技術産業開発区」等、多くの特別地域が設置され特殊な優遇措置が採用されている。ある意味これらの開発区は、中国の主要地域全域を網羅しているともいえるので、中国進出場所を決定するに当たっては、 先ず地理的条件(華東地域か華南地域など)を選定し、その後各種特別地域の優遇政策を比較し、最も条件の良い地域を選定することが望ましい。
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