|
旅行・観光業
WTO加盟によって観光業界全体に大きなメリットが期待されている。 それは金融業の規制緩和により観光業の代金決済が便利になり、サービス全体の競争力が向上すること、情報産業の発展が電子商取引・販売網・運営方式などの近代化を促進すること、更に輸入自動車の関税引下げにより長年問題視されてきた観光用車両の供給不足も解決、関税の引下げは高級ホテルの物品調達コストを引下げる働きもあり、WTO加盟は本業界発展への環境がより有利に働くこととなる。
WTO加盟後は、外国企業が資金や技術をもって中国の観光市場に参入、事業を展開することになる。観光の市場競争が激化するとともに国内企業に明確な経営モデルを示し、規範化を促す効果が期待される。これは中国の観光業がより国際ルールに沿った運営方法を導入し確立していく上で有利に働く。また外国の旅行会社は合弁あるいは100%外資で企業の設立が許可され、これにより中国市場への参入のチャンスも増え、それが直接外国人旅行者の増加に繋がることとなる。更に外国の投資家が中国を訪れる機会も増え、商用旅行においても市場の拡大が期待できる。
。
アパレル業
WTO加盟は中国のアパレル業界にとっても大きな発展のチャンスとなる。特にWTOの枠組みの中での繊維協議(ATC)が、中国のアパレル輸出に新たな好機をもたらすと注目されている。
第一に、WTO加盟後中国はATCにより現在の割当枠の年増加率をベースに25%の 増加率が認められる。 2002年中には更に27%まで上がる。これを基に計算する
と、中国のアパレル輸出は毎年5,000万ドルの増加が可能となる。
第二に、ATCの 規則によると2002年中には米国が一部割当枠を廃止し、繊維製品における管理貿易は2005年から完全に自由化されることになっている。
第三に、加盟後欧米諸国は違法 な中継方式で中国の割当額を減らすことが難しくなるため、中国は正常な輸出を保障される。
第四に最後に現在日本は中国の撚糸と未加工絹織物についての輸入を制限しているが、ATCの規定によりこの制限も徐々に廃止される。
WTO加盟後は、先進諸国のアパレル製品輸入関税が今後引下げられる予定である。 現在、先進諸国の一般製品の関税が3.8%であるのに対し、アパレル製品の関税は15%から20%である。これらの関税が引下げられれば、中国のアパレル製品の輸出競争力は大幅な増大が期待できる。
物流業(コンテナ輸送)
WTO加盟で中国のGDPは年3ポイント・300億ドル相当増加し、対外貿易総額は2000年の3,700億ドルから2005年には、6,000億ドルと約60%増、外国からの対中国投資総額も2000年の630億ドルから2005年には、1,000億ドル近くに増加すると推測されている。
このような状況の中、海上コンテナ輸送は以下のような影響を受けるとされる。 中国の対外貿易貨物の90%は海上輸送を通じて運ばれ、中級以上の商品はコンテナ輸送
を採用している。 WTO加盟後、同加盟国との間で商品の交易の自由度が増しコンピュータ・通信機材・建材・食品・精密機器・工業部品など国外の有力商品が大量に中国市場
へ運び込まれることになる。逆に中国のアパレル製品・手工芸品・特産品などの有力商品 も制限を受けることなく海外へ運び出される。 これにより中国の対外コンテナ輸送量は
増加し、コンテナ船のフレート数、コンテナ船舶の輸送量、港湾のコンテナ取扱量、物流 企業のコンテナ物流量、船舶代理業の船腹代理量、貨物輸送代理業のコンテナ貨物代理量
、コンテナ総合修理サービス業の修理量、コンテナリース業のコンテナリース量等、大幅な増加を見込む。
中国はWTO加盟国としての最恵国待遇と国民待遇、そして市場への参入を認められ、 同加盟国のコンテナ輸送市場に参入することになり、一方、加盟国も中国のコンテナ市場
に進出することとなる。コンテナ輸送の市場競争は激しさを増し、その結果、市場全体 が供給過剰に陥り全体の業務量は増えるものの、反面参入業者の大幅な増加により利益率は縮小していく。これは中国物流業界への大きな圧力となり、基礎が脆弱な本業界にとっては淘汰の時代となる。
|