経済トピックス 【2002年/02】


中国のWTO加盟(3)
 
 前回に引続き、市場開放政策のなかで規制緩和が予定されている電気通信と金融におけ る変化について紹介する。

 

電気通信

中国は、投資ガイドラインで電気通信業を禁止プロジェクトとするなど電気通信サービス業への外資参入を厳しく制限してきたが、近年驚異的なスピードでマーケットが拡大している分野であり、各国が強く開放を要望してきた。 WTO加盟により以下のような段階的開放が進められる。

【電気通信分野の地理的制限・出資制限緩和スケジュール】
  国内・国際電話 移動体通信 付加価値サービス
(インターネット)
地理的制限 出資制限 地理的制限 出資制限 地理的制限 出資制限
加盟時     上海・広州・北京 25%以下 上海・広州・北京 30%以下
1年以内     14都市追加(※) 35%以下 14都市追加(※) 49%以下
2年以内         制限撤廃 50%以下
3年以内 上海・広州・北京 25%以下   49%以下    
5年以内 14都市追加(※) 35%以下 制限撤廃      
6年以内 制限撤廃 49%以下        
※ 成都、重慶、大連、福州、杭州、南京、寧波、青島、瀋陽、 深セン、厦門、西安、大原、武漢の14都市。

電気通信分野はこれまでほとんど参入が認められていなかったので上記開放は一定の評 価に値するが、さらなる開放については懐疑的とならざるを得ない。 中国が従来、電気通信サービスの開放に非常に消極的であった理由のひとつに、情報の 流れを国家の管理下に置きたいという意図が考えられ、このことが市場の開放を遅らせるとの懸念が強まっている。 特にインターネットを通じた情報発信に関し極めて厳しい規定が数多く定められており、それらには営利的ウェブサイトの認可制、ウェブサイト上での報道規制などインターネット事業者の事業展開を大きく制約するものとなっている。

金融

@ 保険

【保険分野の地理的制限・出資制限緩和スケジュール】
  生命保険 損害保険 保険仲介サービス
地理的制限 出資制限 地理的制限 出資制限 地理的制限 出資制限
加盟時 上海・広州・ 大連 ・深セン・佛山 50%以下 上海・広州・大連 ・深セン・佛山 51%以下 上海・広州・北京 50%以下
2年以内 10都市追加(※)   10都市追加(※) 制限撤廃 10都市追加(※)  
3年以内 制限撤廃   制限撤廃   制限撤廃 51%以下
5年以内           制限撤廃
※ 北京、成都、重慶、福州、蘇州、厦門、寧波、 瀋陽、武漢、天津の10都市。

今後は上海・広州以外にも外資保険会社が進出可能となり、外資保険会社の進出が期待 される上海・広州以外の大都市に立地する外資企業も外資保険会社のサービスを受けるこ とができるようになる。 しかし、従来通り他の場所に立地する保険会社に対して保険を 依頼することが認められない模様なので、外資保険会社進出が期待できない小都市への進 出企業については、今回開放の恩恵を受けることはできない。

A 銀行

外貨業務については、加盟時より地理的・顧客に関する制限なく自由に営業ができる とされた。 人民元業務については、現在上海・深センにおいて認められるのみだが、 今後以下のとおり経営可能な地域が順次拡大される。

【人民元業務の緩和スケジュール】
  人民元業務の地理的制限撤廃 サービス提供の対象
現在 上海、深センのみ 外資企業のみ
加盟時 天津、大連 中国企業も含む
1年以内 広州、珠海、青島、南京、武漢
2年以内 済南、福州、成都、重慶
3年以内 昆明、北京、厦門、 中国人個人も含む
4年以内 汕頭、寧波、瀋陽、西安
5年以内 制限撤廃

また、サービス提供対象は現在外資企業に限られているが、加盟後2年以内に中国企業、 加盟後5年以内に中国人個人に対するサービス提供も可能となる。 さらに、加盟時よりいずれかの地域で人民元業務を許可されている場合、その他の人民 元業務開放地域においても人民元業務が認められることとされた。

 

(2002年2月)


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