経済トピックス【2009年10月】

 

上海のタクシー運賃値上げの理由

 2009年10月11日、上海のタクシー運賃が値上げされた。11月初めまでに市内のタクシー約4.7万台に対して順次新料金が適用される。前回の値上げは2006年5月11日だったので、約3年半ぶりの値上げだ。

 上海市の値上げタクシー料金だが、上海市内を走る一般的なサンタナ車種のタクシーの場合、初乗り3キロが11元から12元に、3キロを越えると1キロあたり2.1元から2.4元に、10キロを越えると、1キロあたり3.2元から3.6元に変更された。また、夜間23時から翌朝5時までの場合、深夜料金が加算されるため、初乗り3キロ14元が16元になり、3キロを越えると1キロあたり2.7元から3.1元に、10キロを越えると4.1元から4.7元となり、こちらはかなり割高感が強く感じられる。

 今回のタクシー料金値上げは、なんとなく突然行われた感じも否めないが、そもそも上海市では2006年5月にタクシー料金はガソリン料金と直接的な関係を持つように制度化されており、料金値上げに対して公聴会などを開く必要もなくなった。世界的なガソリン料金の値上げはここ数年の傾向だが、上海においても同様で、すでに2007年11月の時点でタクシー運営を適正に行えるレベルを超えており、関係者から早期値上げの声があがっていたのも事実だ。

上海でのガソリン料金の推移(1リットルあたり)

 

2006年10月

2009年10月

90号ガソリン

4.52元

5.43元

93号ガソリン

4.92元

5.90元

97号ガソリン

5.21元

6.28元

0号軽油

4.62元

5.64元

 日本でもレギュラーやハイオクなどガソリンに違いがあるのと同様、中国でもガソリンを号数表示して区別している。一般的に号数が増えるほどガソリンの価格は高くなるし、環境に対しても優しくなるという具合だ。

 この中で、今まで上海市内で最も安く手に入ったのが90号ガソリンだが、これが11月1日から使用禁止になり、すべて93号ガソリン以上になる。ちなみに、オリンピックの関係もあり、北京ではすでに90号ガソリンは使われていない。 
 この90号ガソリンの使用禁止が今回の上海のタクシー運賃値上げに関して、最も大きく影響しているといっても過言ではないだろう。

 上海も万博を控え、大気汚染の問題が注目される中、より環境に優しいガソリンの使用が求められている。中国ではガソリンの基準として、国U基準が導入されていたが、これではまだまだ不十分だった。そこで11月1日より、上海市では硫化物の含有量がより少ない「瀘W」基準のガソリンに合致しなければならないこととした。その結果、90号ガソリンが淘汰されることになった。ようやく上海市も北京オリンピック時に導入された基準とほぼ同じになったということだ。上海の「瀘W」基準では、「国U基準」と比べると、硫化物の含有量が90%削減されるなど環境面でのメリットが多い。
 こうして、新基準の導入により、北京に比べて安かった上海の各号数のガソリン料金が、北京とほぼ同じに値上げされる。これにあわせて、2009年11月1日以降、上海市では、排ガス規制も強化され、「国W排出基準」を満たした路線バス・郵便トラック・ゴミ清掃車しか導入できなくなる。

 ところで、同じように、燃料代が値上がりして経営に影響を受けるのが路線バスだが、こちらに関しては政府が補助金を出して、当面は現在の運賃が維持される見込みだ。(以上)


 

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