経済トピックス【2009年9月】

 

中国が目指す大型航空機プロジェクト「C919」


 日本やブラジルも含めて、世界各国でジェット旅客機の製造競争が始まっているが、ここ数年、中国も民間航空機の製造に力を入れている。
 支線型のジェット旅客機では、最近ARJ21型機が上海で初飛行に成功し、勢いづいているが、今度はボーイング社のB737やエアバスのA320型と競合する双発タイプのC919型機の設計に入っている。9月8日に香港で開催されたアジア国際航空ショーで、その模型が展示され大きな話題を集めた。
 「C919」のCとは製造メーカーである中国商用飛行機有限責任公司(COMAC)から取ったもので、9は永遠 や悠久を意味する「久」を示し、19は190人乗りを意味することらしい。今後、290人乗りには929が使われるという話も出ている。

 この大型航空機プロジェクト自体は、実は2008年11月から始まっている。中国商用飛行機有限責任公司がプロジェクトを担い、2009年9月1日にはC919型機の機首部分のモックアップ製作も成都で始まり、操縦室の配置や電子機器の設置などの準備に入った。同時に、中国国産のジェットエンジン開発プロジェクトもスタートした。エンジン製造は、中航商用飛機発動機有限責任公司が開発担当するとも言われており、既に本格的な人材募集なども行われているが、メーカー側によるとすでに数社の採用候補も挙げられている。
 香港の国際航空ショーで展示されたC919型機の模型を見る限り、全体的なデザインは、ボーイング社やエアバス社のものと似ているが、操縦室部分のガラスが2枚構成であったり、外観面での特徴も多い。ただ、外見以外で力を入れているのが、燃費などの運行コストだという。例えば、168席タイプのC919型の場合、B737型機やA320型機と比較すると、15%の燃費が節約でき、二酸化炭素の排出量も50%削減できるとしている。そこから、航空会社の運用コストも10%程度削減できるという。

 さて、C919型の今後の開発予定だが、目標とする2014年の初飛行以降、各種試験を経て、2016年頃には実用化されるとみられている。標準仕様の航続距離は3700キロで、さらに長距離タイプの場合は、5555キロまでの飛行が可能としている。設計寿命は30年で、9万時間の飛行まで問題ないということだ。まずは年間50機の生産からはじめ、最終的に年間100機まで生産ペースを引き上げる。

 エンジン開発などでは、GEなど海外メーカーの名前も挙がっている。事実、ARJ21型航空機では、GE系のエンジンが使われた。このC919型機に関しても、最終的にどこのメーカーのエンジンが採用されるか、注目が集まっている。しかし、今回の大型航空機プロジェクトの最大の目標はやはり国産化と中国独自の知的財産権の保持といわれている。2009年7月現在、中国大陸で運行されている100席以上の航空機のうち、エアバス社のシェアが41%、ボーイング社のシェアが59%となっており、ここへの切り込みが当面の目標だ。そして、最終的には中国国外の市場にも打って出たいという中国の挑戦が見え隠れする。 (以上)


 

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