経済トピックス【2009年6月】

 

上海市、新しい排ガス規定と補助で古い車の淘汰を進める


工事の影響もあり、市内の至る所で渋滞が発生中の上海

 車があふれている上海市。道路の渋滞が著しくなり、ラッシュ時を中心にとても快適に移動できる状態ではなくなっている。また、大気汚染の問題も顕著だ。そこで、2010年の上海万博に向けて、抜本的な大気汚染改善を目指し、上海市内を走る車の更新を進める。その一環として、2009年6月1日より、以前の排ガス基準の車を淘汰し国W基準(ユーロW基準に相当)の車に買い換えた場合、1台あたり平均にして5000元の補助を出す制度を始めている。

 上海市の統計によると、上海市内を走る自動車は2008年12月末で137万台になる。このうち、国T基準以下の汚染度が高い車は33.4万台あり、これらの車が出す排ガスは、上海市内の車が出す排ガスの60%以上占めると言われている。とくに、国T基準すら満たしていない汚染度の高い車の台数は29万台あり、このうちマイカーが8.5万台・事業用車が11.5万台となっている。また、ナンバープレートでは、圧倒的に上海市外ナンバーの車で基準を満たしていないものが多く、14.4万台占めている一方で、上海ナンバーのものは5.6万台だった。これらが上海の大気汚染の根源の一つになっていることは否めない。
 そこで、上海市では、上海万博の開幕前までに5万台の車を淘汰するという計画により、今回の補助制度を利用した国W基準の新車増加が見込まれている。また、この買い換え需要によって70億元相当の経済効果も期待されている。

 さて、具体的にはどの程度の補助が出されるのか?たとえば、1998年以前の乗用車を買い換える場合は4500元、1999年1月1日〜2001年12月31日に購入した乗用車を買い換える場合は5000元、2001年1月1日〜2002年12月31日に購入した場合で5500元となっている。さらに大型車の場合は最高7500元の補助となった。
 これらの補助は、新車を買う場合に適用され、新車がたとえば上海製のみに適用などの制限はなく、路線バスや電車(トロリーバス)などにも適用されることになっている。もちろん、政府などの公用車・事業用車両も適用されることになっておりその範囲は広い。

 また、これにあわせて2009年8月1日より、汚染度の高い車の上海市内での運転禁止範囲をこれまでの内環状線の内側から、中環状線の内側にまで拡大させた。制限時間に関しては従来通り7:00〜20:00となっている。そして、新車の上海ナンバーの取得に関して、徐々に国W基準の適用を求めていき、まずは2009年11月1日より、重さ3.5トン以下の自動車に対して、郵便・路線バス・公用車では国W基準を満たさなければナンバーの取得ができない。
 ユーロ圏では、現在ユーロX基準の排ガス規制が行われている一方で、自動車大国中国の政策の遅れが指摘されていたが、今回の国W基準への移行で、その時間的な遅れも上海万博の開催を境に徐々に縮まっていくことを期待したい。 (以上)


 

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