経済トピックス【2009年2月】

 

深刻化する雇用問題 

 金融危機の影響が、中国でもジワジワと出始めている。2009年の中国の雇用情勢が極めて深刻であることを、中国政府も認識しており、人力資源と社会保障部の尹蔚民部長も問題点を指摘している。

 まず、新卒大学生の就職問題が大きい。2009年は611万人の新卒大学生が職を求めることになるが、到底一筋縄にはいかない。特に、2008年末から中国の中小企業の倒産が続いており、中小企業全体の7.5%が倒産したと工業信息化部の李毅中部長がコメントしている。同時に輸出が落ち込んでおり、製造業では今後も引き続き中小企業の閉鎖や操業休止が続くとみられている。

上海の大学キャンパスで自分を鍛えるために農村へ
仕事することを呼びかけるキャッチコピーも。

 大学生の雇用を確保するため、中国内陸エリアへの就職を奨励したり、教職の給与をアップさせたり、給与が安くなどの理由で不人気だった公共サービス分野への就職斡旋も行われている。多くの大学生は、上海・広州・北京などの大都市への就職を希望する中、果たしてどれだけの人たちがそうした仕事に就くのか未知数だが、政府もマスコミなどを利用して、農業やタクシー運転手などに従事した大学生の様子を大きく報道するなど、力をいれていることが分かる。最近では、上海で大卒タクシー運転手として月4000元(約57,000円)稼ぎ出したことが話題となった。また、上海市でも上海戸籍取得への道を広げるなど、地方出身者の人材獲得にも動き出したことは特筆に値する。

 一方で、政府も大学生の起業による雇用拡大にも大きな期待を寄せている。各地方政府も、学生起業家への資本金の優遇を行ったりして、大学生の起業による雇用創出を目指している。一方で、新卒生の実践力不足が就職問題をより一層困難にしているとして、職業を実体験してスキルをつける「実習基地」制度の充実を目指すことも明らかにした。

 しかし、1100万人いると言われているまだ仕事が見つかっていない出稼ぎ労働者の問題も、新たな雇用問題として噴出している。2008年12月以降、金融危機の影響で中国全国300万人分の職が失われたとみられており、都会に出てきた農民たちの動きが気になる。職が見つからなければ、社会不安を助長することも考えられる。一方で、都市部の就業人口数も大幅に減っており、登録された失業者数も過去3年間のうちで最高となった。

 中国の中小企業の実態はかなり深刻だ。工業と信息化部の李毅中部長の談話のなかでも、一部企業が操業を停止したり、閉鎖したりしている状況が普遍的にみられるようになっており、その数は2008年末現在で中小企業全体の7.5%に達するという。温家宝首相も、企業の再編などにより雇用を確保し、社会の安定を目指すことを強調している。さまざまな施策が、いままさに実行されようとしている。(以上)


 

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