経済トピックス【2009年1月】

 

上海の自動車メーカー 

 上海の主要自動車メーカーとして、現在、上海大衆(VW系列)・上海通用(GM系列)・上海汽車の3社が君臨している。いずれも、中国を代表する自動車メーカーに成長した。この中で、最も歴史があるのが1963年に製造開始した上海汽車で、上海の自動車ブランドとして、中国人の間では有名だ。さらに、あの上海などの都市部タクシーですっかりと有名になった上海大衆の「サンタナ」、BUICKブランドを定着させた上海通用は、ビジネスなどでもよく使われ、ワゴン車でお世話になることも多いだろう。上海通用は、現在は燃料電池自動車など環境に優しい自動車の研究も行っている。

上海の東南に位置する上海汽車の
臨港生産基地

 ところで、上海汽車は江南造船産廠と上海重型機械廠など上海を代表する重機械工業各社が技術的援助を行って1963年に設立された会社だ。上海大衆のサンタナが登場するまでは、中国を代表する自動車を製造していた。有名な車としては「鳳凰」や「上海ブランド」などがある。上海汽車は第一汽車集団や東風汽車集団とともに、中国を代表する三大国有自動車メーカーの一つだ。ただ、改革開放後は合資系の自動車メーカーが力を付け、上海汽車の存在感が薄くなってしまった。
 その後、MGローバー社のローバー・75の生産ライン設備を買い取って、「栄威 750」の生産・販売を行っている。栄威は、最近上海の街中でもよく見かけるようになった。最近では、中国の自動車メーカーでは珍しく、「栄威 750」に対して、購入後3年間もしくは8万キロ以下までの品質保証を行っており、注目を集めている。

「サンタナ」一色だった上海の道路も
ここ数年の間でカラフルになった

 上海のタクシー「サンタナ」でおなじみの上海大衆は、1978年にケ小平自らが合資プロジェクト準備へ積極的に動き足したという肝煎りの合資会社で、1984年に北京人民大会堂で中国側とドイツ側の契約式が行われた。上海大衆設立当初は年間1700台だった生産台数は、2007年には46万台にまで増えている。この「サンタナ」は、まさに中国の自動車産業の歴史を語る車両といっても過言ではなく、一時期は中国の道路を圧巻した。中国の自動車国産化にも大きく貢献した。今でも、「サンタナ」は部品などが安く、メンテナンスがラクという点で、一般市民には人気が高い。

 上海通用は、GM系列の海外の工場のなかでも利益率が高い工場の一つだ。1997年に設立され、中国の自動車売り上げランキングでは、最近3年間で売り上げトップを走っている。上海通用の進出は、サンタナ一辺倒だった市場に新たな風を吹き込み、中国の高級自動車製造のさきがけともなった。その後、上海からはじまった生産基地が、今では煙台や瀋陽にも建設され、中国全国3カ所になった。また従業員は当初の3000人から1万人を超えるまでになった。2001年11月には、ワゴンタイプのBUICK・GL8の5000台がフィリピンに輸出されている。高級車タイプとしては、車の輸出は中国で初めてのケースとなる。現在では、BUICK以外にもキャデラックなど4種類のブランドの自動車を製造するようになった。

 金融危機で自動車の売り上げが落ち込む中、中国の自動車メーカー各社も冬の時代を迎えている。中国汽車工業協会のデータによると、中国の主要自動車会社19社の2008年11月までの利益は656.28億元あったものの、2008年12月の売り上げが不振であったため、2008年年間では赤字に転落する可能性が極めて高いとしている。上海の自動車メーカー各社も状況が厳しいことは変わらないが、かつての「上海ブランド」の栄光は今も輝いているといえよう。(以上)


 

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