| TOP > 連載 > 中国を写真で読もう! > 3年前の江南(1)-上海 |

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3年前私は一旅行者として上海を訪れました。 この写真は豫園の付近で撮ったものです。この付近は当時開発ラッシュの嵐が迫ってきているとはいえ、まだ昔ながらの下町の趣を十分残していました。 彼は周りの人が私にあからさまな好奇心を示してくるのとは対照的に、お母さんの足の陰に隠れてこの見知らぬ人間をじっと見つめていました。写真を撮っている間も彼は一時も目を離さずカメラを見つめつづけ、撮ったのがこの一枚。結果これが短い旅行で最も心に残った一枚になりました。 そして、2年後の去年。 私はこの写真を彼にどうしても渡したくて又この通りへやってきたわけです。そこで私の見たものは…すべてが壊されて、工事中の壁に覆われた殺風景な通りでした。私はつたない中国語で会う人会う人に尋ねて回りました。 「この写真の彼を知らないですか?彼にこの写真を絶対渡したいの!」 しかし、返ってくる答えは全て「知らない」。彼らによると、この一体の長屋に住んでいた人々は郊外の新しいところに引っ越していったのでここには残っていないとの事でした。 そして今。上海に住み始めて1年ちょっと。 私はまだ彼の視線が忘れられずたまに豫園付近をうろついてみるのです。 その辺の路地から彼が出てくるような気がして。 (Ritz.S) |