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「文明的態度」という言葉がある。これは、「国際的に通用する生活マナー」とい
いかえる事ができる。国際社会に舞台を求める中国において、このマナーを浸透させ
る事が、目下、最も力を入ているものの一つである。では今日、実際に求められてい
る「現代男性」とは、いったいどんな男性の事であろうか。 参考にした雑誌は『今日青年(YOUTH TODAY)』10月号である。これは男性のた めの雑誌で、仕事・娯楽・芸能について、特集が組まれている。このなかに、「周り の男性の品位を評価する」という題名で、現代男性のあるべき姿を提示した記事が あった。この記事でポイントとなっていたのが、「品位」である。つまり、(現代男 性としての)品位があるか無いか、これが今日、男性として一人前かそうでないかの 分かれ目だというのだ。言葉を借りるなら、「周りから、品位がないという烙印を押 される事は、病院で癌になったと宣告されるよりもひどい、とり返しのつかない事」 なのだという。 「品位」がなぜ重要なのか。それは、日々の生活態度や生活習慣から、切っても切 り離せないからである。隠そうと思っても、ついついポロッと出てしまう。ここから 男の真価が問われるという訳だ。雑誌に挙げられていた項目は28だ。あなたの周り の男性はどうであろう?こっそり比べてみてみるのもおもしろい。 ~あなたは品位ある男性か?~ 以下の質問にYESかNOで答えて下さい (なお、「→ 」以下の文章は、質問されている事項がどうして品位ある男性を意味するのかについて、本雑誌と中国人の友人の意見を参考にして書いた筆者の補足である) Q1 : 自立精神があり、また自分に自信を持っているか → 自分で何も判断できない様では、男とは言えない。 Q2 : 自分の仕事に熟練しているだけではなく、その他の技術もたくさん持って いるか → 仕事はできて当たり前、その他に何ができるかがポイントだ。 Q3 : 困難や危険にも、勇敢に向かっていけるか Q4 : 競争意識は持っているが、そこには嫉妬心が存在していない → 嫉妬心は端から見ていて、すぐに分るものである。嫉妬心からの焦りは、みっと もない。 Q5 : 運動を好み、健康な体を持っているか Q6 : 簡潔な言葉で自分の意見を表現できるか → 言葉数の多い男性は、みっともないだけでなく、信用できないものである。 Q7 : 腹を割って話せる真の友人が多くいるか → この友人のなかには、年長者や女性も含まれる。 Q8 : 失恋しても、志は失わずにいるか → 恋愛と仕事は別物、自分の本分は何か考えるべき。 Q9 : 自分の妻を大切にしているか → 落ち着いた家庭を持っている事が、品位ある男性の第一条件でもある。妻以外に恋人がいるなど、とんでもない事である。 Q10 : 麻雀やトランプばかりせずに、文芸作品を愛読しているか → 品位ある男性は、麻雀やトランプにも通じているべきであるが、それは昔の事、 現在は興味がない、といった姿勢をとるのがかっこいい。こういった俗物的遊びよ り、芸術を楽しむ心を持つべきである。 Q11 : 上司に媚びへつらったりしていないか → 媚びを売って何かを手に入れるよりも、自分の品位を守る事を選ぶべきだ。 Q12 : さり気なくユーモアを言える才覚があるか Q13 : ゴミを道端に捨てたりせずに、きちんとごみ箱に持っていっているか → 空缶を道端に捨てた瞬間に、あなたのこれまでの努力がすべて消え去ることにな る。 Q14 : 携帯電話、ポケベル、鍵の束、など、見せびらかすようにつけていないか → 品位ある男性は、何かを身につける事によって、自分を大きく見せようとはしな いものだ。 Q15 : 並んでいる列に、横から割って入っていないか → 品位ある男性は、礼儀正しいものである。たとえ割り込みをして、多少の時間を 稼いだとしても何の足しにもならない。手に英語の読み物でも持って、涼しい顔をし て待つのがよい。 Q16 : 公共の場で、大声を上げたり手を打ったりして騒いでいないか → 公共の場は、静かにすべきところである。周りを気にせず大声で携帯電話を使う など、もってのほかである。また、方言を使ってしゃべるのも、いただけない。 Q17 : 周りの人間に、煙草の煙を噴きかけていないか → 人の顔に煙を吐きかけるのは、靴で顔を踏むのと同じくらい失礼である。 Q18 : 酒は嗜む程度で、悪酔いしない Q19 : 終始、相手の話を聞という姿勢を、崩さずにいるか Q20 : 女性が休息している時は、黙って部屋を譲っているか → 女性と同じ部屋で休憩する事になった時、汚い足を椅子の上に上げて、大声で世間話をしてはいないだろうか。これでは、女性に失礼である。女性に敬意を払って、部屋を譲って外に出て行くのがあるべき姿である。 Q21 : 他の人と同じ部屋で寝る時は、相手が先に寝るのを待って、それから寝てい るか → 他人と一つの部屋で寝るときは、相手が眠りにつくまで気を抜いてはいけない。 さもないと、不様に大いびきをかいて寝る様を、他人に見せる事になる。眠気に教わ れてもグッっと耐える事が、品位を保つために不可欠である。 Q22 : 色仕掛けにも動じないでいるか → 色仕掛けで商談を成立させようと迫ってきたとしても、毅然として断る事ができ る意志の強さを持っているか。 Q23 : みだりに他人の肩を叩かない → みだりに肩を叩く事は、上司や同僚からは礼儀がないと思われ、女性からはセク ハラをされたという誤解を受けやすい。 Q24 : シャツとネクタイは常に清潔であるか → これは男としてのたしなみである。たとえ出張に行っても、寝る前には自分の手 で洗濯をするくらいの覚悟が欲しい。 Q25 : 食事の時、牛のようにガツガツと食べない → 世の中の誰が、腹ぺこの牛のような人と食事をしたいと考えるだろうか。人間ら しく食事をすべきである。また、皿から料理を取る時に、自分が使ってる箸を使うの もNGである。これもまた、自分の品位を落とす行為である。 Q26 : 人に挑発されても、冷静沈着でいられるか → 常に落ち着いていて、礼儀正しくいられるという事は、男として武器でもある。 Q27 : 昔の恋人に会っても、友人としての一線を守り通せるか → 一緒に食事をしたり、話をしたりするのは問題がない。ただし、もう別れた相手 である事を忘れてはいけない。これは、社会道徳でもあり、当然守るべき遊びのルー ルでもある。 Q28 : 他人からいわれのない誤解を受けても、広い心で許せるか ここで主張されている男性の品位は、頷いてしまうものと、あれっと首を傾げててしまうもの、中国らしいものに別れる。ちなみに、ここで目標とされている、現代男性(女性)とは、日本語にすると「新人類」とも言うべきニュアンスがあるだろう。考え方が開放的で、新しい物好き、常に外に目を向けており、昔ながらの人達にはどこか理解できない部分がある改革・開放以後の若者達を指す。伝統的なタイプではなく、進歩的な人の代名詞だ。 なるほど、と思う意見は、「Q2:自分の仕事に熟練しているだけではなく、その他の技術もたくさん持っているか」。競争の激しい現在、専門バカではどうしようもない。幅広い能力が必要とされているという事か。「Q10:麻雀やトランプばかりせずに、文芸作品を愛読しているか」。麻雀やトランプ(ゲームの中で、とても人気がある)ができないのではなく、上手いがもう飽きてしまった、というポーズを取るのがカッコイイのだそうだ。なかなかシブイ。「Q13:ゴミを道端に捨てたりせずに、きちんとごみ箱に持っていっているか」。煙草のポイ捨てがいまだに気になる日本でも、見習うべきところかもしれない。「Q20: 女性が休息している時は、黙って部屋を譲っているか」。女性を大切にしているという態度には好感が持てる。ただ、自分はどこに行って休憩するのか?男性の品位とやせ我慢は、切っても切れない関係なのかもしれない。 唸ってしまう意見を、ここですこし。「Q21:他の人と同じ部屋で寝る時は、相手が先に寝るのを待って、それから寝ているか」。相手に自分の弱みを見せないという意味ではわかる。ただ、鼾を聞かれるのはスマートではないと、眠気と必死に戦う姿を考えると思わず涙をさそう。「Q24:シャツとネクタイは常に清潔であるか」。疲れて帰って来てから、それでも自分の手で洗濯をする。クリーニングに出す、と言わないあたりがいい。なんだかこれは、女性のタシナミの一つのような気もする。 いかにも中国らしい意見には、次のようなものがある。「Q14:携帯電話、ポケベル、鍵の束、など、見せびらかすようにつけていないか」。特に携帯電話、これはQ16とも関係する。見せびらかすように人前で大声で使ったりすることがある。これは全くハタ迷惑だ。しかもしゃべっているのが、方言の上海語だったりすると・・・。「Q15:並んでいる列に、横から割って入っていないか」。男性とオバさんに多いのが、この、横入りだ。焦ったり、セコセコするようでは、品位ある男性とは言えない。英語の読み物をだすのはやりすぎかもしれない。しかし、涼しい顔で並んで欲しいものである。「Q25:食事の時、牛のようにガツガツと食べない」。こちらの作法はおおらかだ。好きなように食べる。料理の中の骨は、プッと皿やテーブルの上に吐き捨てる。また、他の人のために、自分の箸で料理を取り分けたりもする。これは、西洋風マナーと相容れないものとして注意を促している。食べたひまわりの種を、床や机に散らかすのもNGであろう。 この記事を訳す時に手伝ってくれた男子学生は、終わると大きくため息をつき、「男は大変なんだ~!」と机に突っ伏した。ここでいわれている品位は次の3つの条件を満たした上でなくてはどうしようもないのだという。その条件とはこのシリーズでも度々でてきている。①よい仕事がある、②高収入である、③生活力がある、だ。安定した社会的地位やお金がないのに、品位だけを求めても、役に立たない。品位を保つには、ある程度のお金と余裕が要る。女性も、お金のない品位ある男性よりは、お金のある品位ない男性を好む。 私は彼に一つ質問をしてみた。女性は常々、男性に多くを要求してるけど、男性は女性に何を要求しているのか、というものだ。すると、こんな答えが買えてきた。「男性は女性には何も要求しないものなんだ・・・」本当に驚いた。彼曰く「現代の理想の男性像は、女性の要求によって決まる。しかし、現代の理想の女性像は、女性自身の要求によって決まる」まさに、女性上位だ。女性が断然強い。 今回話題になった「品位」は、女性にモテるためのものではなく、男性としてのタシナミという意味合いが強い。しかし、品位ある男性=良い仕事がある、お金が有る、生活力が有る、ということで、モテる男性像ともいえよう。品位あるモテル男性は、女性のワガママとも言える要求を、どれだけ上手に聞いてあげられるかがポイントとなる。今日も周りを見ると、女性の後ろを荷物を持って歩く男子学生の姿がある。 北里 恵
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