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大陸おもしろ記事紹介

拝金主義の女性をどう愛すか?


  「お金」「愛情」「結婚」
 これは人々にとって永遠のテーマである。どれもが深く絡みあい、分けては考えられない。昨今の小姐の考え方は第一に「お金」。お金第一という否定しがたい共通認識があるようだ。お金があってこその「愛情」であり「結婚」。経済力がある人に対し魅力を感じ、愛を育む。時には愛情はなくても、お金があるからと結婚を決める。日本に行くためや、アメリカの国籍を取るために、ぐっと年の差のある相手でも結婚してしまうことも。「好きなの?」そう聞くと「別になんとも思ってない」とあっけらかんと答えたりする。
いつもは女性の意見を取り上げている本コーナーであるが、今回は男性の視点から見た女性論を選んでみた。題は「拝金主義の女性をどう愛すか?」カラー写真を多く載せるファッション雑誌『LOOK』5・6月号から。上述のような「拝金主義」の風潮の中、いったい中国男性は女性とどう付き合い、そのわかりやすく合理的な要求にどう対応していくべきか。それぞれの分野で今をときめく男性陣が、はっきりキッパリ意見する。賛成派・反対派に分けて紹介したい。



*「賛成派」

◇「拝金主義?それほど非難するほどの事ではない」
『北京青年報』編集長 42歳 既婚

  「お金がない人とは結婚しない」女性のこういった考え方は、社会における経済発展の産物ではないかと思われる。それはもう、当たり前の社会常識だ。今日、「お金がある」というのが事業成功の基準になっている。月に500元ほどしか稼いでなかった会社の社長が、倒産後雇われてタクシーの運転手を始め、かえって月に4000元ほども稼げるようになったとする。そうしたら、その人は相対的に失敗者から成功者になったと言える。つまり、どんな職業に就いているかが問題ではなく、実際にどれだけのお金を稼いでいるのかがポイントだ。はっきり言うなら、お金の有る無しが人としての価値を決める物差しの一つなのだ。もしあなたが現在貧乏だとすれば、多かれ少なかれ人生に失敗していると言わざるを得ないだろう。
 女性のお金の無い人とは結婚しない、という風潮は当たり前の事だ。彼女達は、お金が無ければ愛情も十分に生まれないと知っているのだ。だから誰もがお金持ちを望む。もしかしたらあなたは「愛さえあれば他には何も要らない」と言うかもしれない。しかしそれは世間を知らない甘い考えだと言えよう。少し現実を見れば分かるように、「貧しい」という事は一時的なものではない。一時のロマンで我慢できるほど気楽なものでもないのだ。最初は幸せだと思っても、日々の生活に追われ、疲れ、肝心の愛情もいつしか擦り減ってしまってうものである。
こういった現実があることから、「お金がない人とは結婚しない」という考えは、とりたてて非難するほどのことではない。それに、もし我々の国が十分に発展し、誰もが生活苦から脱する事ができれば、こういった意見は次第に消えていくことになると思われる。あくまでも一時的なものなのではないだろうか。


◇「愛情と金銭、これが結婚の二大基礎だ」
北京コマーシャル制作会社 21歳 未婚

 よく言われる言葉に「世に貧しい夫婦ほど惨めなものはない」というものがある。確かにその通りかもしれない。私は、結婚には二つの基礎があると考えている。一つが「愛情」で、一つが「金銭」。どちらが欠けても結婚生活はうまく成り立たないと思う。特に奥さんとうまくやっていくには経済力が大きなポイントだ。日々、甘く優しい言葉を伝えるのも不可欠だが、それだけでは不十分だ。言葉は財力にはなわないと思う。毎月の給料がどれだけあるのかということが、奥さんを最も安心させるのである。
 もし今、仮に結婚を意識している女性がいるとしよう。私は、その女性に経済上の希望をはっきり述べてもらうことを望む。それによって、彼女の要求に応えることができるようにと、仕事に対するモチベーションを高めることができる。男性は結婚すれば、家庭に対する責任が生まれる。100%とは言わないが、50%は必ずあろう。女性と協力して家庭を維持していかなくてはならないのだ。これができないようなら結婚するべきではないし、現在の自分ではどうにもならないほど、経済的要求の高い女性とも結婚するべきではないだろう。



 この二人の意見に共通しているのは、「お金は生活の基礎」という大きな柱であろう。人々は毎日生活していかなければならず、そのためには物を買うお金が必要となる。ここでいう貧乏とは何かと考えると、物質的に人様に劣っていることを指す。中国ではまだまだ貧困が身近に存在する。持つ者と持たない者の差が激しいのだ。一方で目をむくような贅沢をしている者もあれば、一つ0.5元(約7円)の肉マンを買う事すらできない者もいる。誰だって毎日の食事にすら困る生活よりは、余裕を持って暮らす方がよい。だから「お金の無い人とは結婚したくない」という女性の気持ちは当たり前のことだ、と擁護すらしている。
 詳しく見ていくと、前者においては、「幸せな生活は物質的に満たされると頃から始まる」という視点を強調している。お金に苦労して生活に疲れていては、いくら好きな人と結婚しても長続きはしない、愛もさめていってしまうと主張する。後者においては「安定した生活はお金から」という考えが強い。甘い言葉よりも給料袋の方が奥さんを魅了するという言い方には、何とも色気がない。ただしその後に、自分のためだけではなく、奥さんを満足させるためにも仕事をガンバル、と続くところがちょっぴり女心をくすぐりはする。
 何にしても、どちらもかなり現実的な意見である。女性における現在の風潮を認めただけでなく、かえって男性陣に厳しい。まるで「拝金主義の女性」を非難する男性陣は、「女性を安心させられるだけ稼いでないからヒガンでいるのではないのか」と言わんばかりだ。男としての魅力は、給料で現されると言う。せめて家庭を築けるくらいの稼ぎは持つべきだ!と、自分自信を含め周囲の男性陣を叱咤激励しているのかもしれない。





*「反対派」

◇「金銭が目的の結婚は、必ず金銭の問題で破局する」
北京国航食品有限会社 28歳 未婚

 あなたが金銭で愛情を買おうとするのなら、他の人もまた、金銭で愛情を買っている。金銭のためにした結婚なら、必ず金銭が原因で破局を迎えよう。私は「お金の無い人とは結婚しない」という女性たちを、批判しようとは思わない。正しいとも間違っているとも言えない。確かに一理はある。但し、私に関して言えば、そういう女性には興味を持つことができない。もしお金を持っていたとしても、相手の女性には言わないであろう。お金が目当てで付き合ってしまうと、今はいいとして、いったんお金が無くなったらどうなるだろうか?こういった女性とは、友達として付き合うのが妥当だ。結婚相手として考えることはできない。妻となる人は、自分と苦楽を共にしてくれなければいけない。
 もし、車とマンションを持ったお金持ちの男性があなたを選んだとしよう。これは決してあなたが自ら選んだせいではない。男性によって選ばれた結果だ。ここの所を勘違いして欲しくない。女性は自分がどんな人間かを考えて分不相応な望みを持つべきではない。


◇「「お金が無い男性とは結婚しない」。必ずしもそうではないと思う」
中央工芸美術学校教師 33歳 未婚

 お金が無い男性とは結婚しない、必ずしもそうではないと私は思う。私にはお金が無かったにも関わらず、結婚したいといってくれた女性がいるからだ。彼女は、私の考え方とライフスタイルが好きだといってくれた。
 お金が無い男性とは結婚したくないと考えている女性達に対してあまりにも安直であるという気がしている。彼女達はお金を得ることによって、社会の上流階級の仲間入りをしたいと考えているのかもしれない。だが美貌を武器にお金持ちと結婚したとしする。年を重ね、美しくなくなってしまった時にはどうなるのか。また再びその世界から排除されるに決まっている。そんな考え方しかできない女性たちがかわいそうだと思う。しかし退屈で魅力もなく、同情にも値しない。結婚や愛情は、賭博ではないのだ。
 残念なことに、現在こういった女性は社会の主流を占めている。そのためか結婚をしない男女が年々増えている。だがこれもある意味でバランスが取れていていいのかもしれない。


◇「お金を重視する女性には魅力がない」
中央テレビ局ディレクター 39歳 未婚

 お金を持っていることが成功であるとするなら、お金持ちとの結婚は成功を意味しているだろう。しかしお金を持っている人が完璧であるとは限らない。健康や性格、素行に問題があるかもしれない。もし女性が20歳にもなって、まだお金持ちとの結婚にこだわっているとしたら、その女性は人間として未成熟であると言えよう。なぜなら結婚には、お金以外の様々な条件が絡んでいるものだからだ。結婚は男女双方が様々な面において、完全にバランスがとれた場合にようやく成立するものである。私は結婚において一番良い形は家の格がつりあっている者同士の場合だと考える。つまり、財力、生活様式、知的レベル、性格において大きな違いがないほうがうまくいくと思うのだ。
  「お金が無い男性とは結婚しない」という風潮は、社会の発展にともない生まれてきたものである。残念なことに社会はますます多彩になってきているが、それに反比例するかのように、魅力的な生き方をする者が少なくなっている。その最たるものが、お金持ちの男性を求める女性達だ。全くもって魅力に欠ける。経済的な要因に左右されず、本質を見極めることのできる女性こそ本物なのだ。





 「拝金主義」反対派の3人にいえるのは、誰もがロマンティストであるということだ。愛情よりもお金を重視するなんて絶対におかしい。そんなモノは本当の愛ではない。お金目当ての結婚で得たものは、どれもいつかは消えるニセモノなんだ!といった叫びが聞こえてきそうである。ただ、3人の主張を改めてみていくと味があってなかなかである。
 まず1人目、「お金を持っていても相手には言わないだろう」という意見。別にわざわざ知らせる事はないけど、隠す必要はないのではと思う。何だか相手の女性を試しているようではないか。それに「女性は分不相応な夢を見ないこと」とはどうにも厳しい。そして二人目の美術教師は「結婚をしない男女が増えているがそれも良いのでは」という意見。芸術家らしい自由な意見だ。三人目は「結婚は、家格がつりあっている場合が一番」とまるで見合い結婚を勧めているかのようである。
 この三人の共通意見は「人間、自分の魅力で勝負」と考えているところではないだろうか。お金なんて付属品だ、本物は別にあると力強く断言している。

 ここで女性の拝金主義、「賛成派」「反対派」の意見をまとめて考えてみると、次のような結果になるのではないか。
・「賛成派」・・・現実主義、お金が成功の証、幸せはお金によって左右される
・「反対派」・・・ロマンティスト、お金は必ずしも成功の証ではない。愛が一番
 「賛成派」は、どうも貧乏な生活を頭において考え、そこから女性の拝金主義は当たりまえと結論を出しており、「反対派」は、どうやったって生活くらいできるさ、と楽天的な所から出発しているようだ。また「賛成派」は、できれば女性に贅沢をさせてあげたいと願っており、そのために女性の機嫌を取るような部分が見受けられるが、「反対派」は自分は自分で好きなことをやってろよ、俺もそうする、といったニュアンスがあるように思う。いったい、このどちらの男性が実際に女性を幸せにできるのであろうか?結婚とは身近でありたいと思うのであるが、縁のない私にはコメントしがたいところである。
 最後にこの記事で気になるのは、意見を述べている男性の経歴である。既婚はたった1人で、後の4人は未婚なのだ。年齢と意見を重ねるとまたおもしろい。既婚者は、42歳で拝金主義賛成派。反対派は、誰もが未婚で年齢が28歳、33歳、39歳と比較的高い。結婚を前にした男性の意見、というところで選んだのかもしれないが、女性に対する理想が高すぎて結婚できないでいるのでは・・・、と思わず考えてしまった。

北里 恵

(本連載は1999年5月~1999年11月に掲載されました)


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