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中国に魅せられちゃったのよ

結婚式と入院を経験!(5)


● ところで、脳膜炎とは?

 「脳炎か脳膜炎」という診断がおりて、「一体どういう病気なんだろう…? 原因は? いつ治るのかなぁ…」と、当然のことながら非常に不安であった。確か蚊が媒介となって感染するやつ? あ、あれは日本脳炎だっけ…と無知な私はお見舞いに来る人々に訊ねてみることにする。
 教えてもらったところによると「子供がかかる病気でしょ」「北京に行ったのが原因ではないか(上海人・談)」「まぁ脳炎じゃなくて脳膜炎じゃない? 元気そうだし(根拠なし)」などなど、まるで役に立たない情報ばかりであった。お医者さんも「重くはない」と仰るばかりで何が原因かは言ってくれない(というか分からない)。という訳で帰国後、本で調べてみた。
 「脳膜炎=髄膜炎。ウイルス、真菌、細菌などが原因で発病する」「発熱・頭痛・吐き気などの他に項部硬直(首がかたくなること)が特徴的」「脳炎と違って知能障害はない」といったところのようだ。
 感染ルート及び原因となったウイルスは未だ不明なのだが、日本のお医者さん曰く、中国にいる特殊なウイルスという訳ではないらしい。もしかしたら日本にいる時から、気道から普通に吸い込んだか虫歯から侵入したかで(食べ物や虫刺されではないらしい)、それで疲労がたまって体力が落ちている時に勃発したらしい。
という事は気をつけていても罹る時は罹るのだ。恐ろしい。基礎体力は大事だなぁ、健康一番だなぁ、と何度も繰り返し思うのであった。しかし帰国後ちゃんと食事・運動をしているかというと…嗚呼、典型的な不健康現代人ライフ。いつ病気になってもおかしくないのだから、せめて保険には入った方がいいなと、やっぱり繰り返し思うのであった。


●治療費について

 保険も入っていないというのに、海外で入院して、一体治療費はどうなるんだろう…? と私が思う前に、先述の日本人の友人が、私の持っているクレジットカードの付帯保険を調べてくれた。すると某保険会社で、海外旅行時の医療費をキャッシュレスで手配してくれるシステムがあったらしい。入院時にかかったおよそ一万円ほどの入院費以外、最後まで、私のところに請求が来ることはなかった。そして、入院でパーになった帰りの飛行機のチケットまで、保険会社で手配してくれたのである(しかも帰国予定日にエコノミーの空きがなかったため、ビジネスクラスにしてもらえた!)。
そしてそして、日本に帰ってすぐに2週間再入院したのだけれど、「海外で発病した分だから」ということで、使用できる金額の枠内で、日本での入院費も戻ってきた。素晴らしい。本当に、某保険会社さまさまである。
 なので華東医院に12日間入院して幾らかかったのか、正確にはわからない。保険会社の人によると「おおよそ30万円くらいでしょう」ということであった。ということは日本のそれとそんなに変わらないなぁ。


  ●ぼちぼち退院?

 入院から4~5日目。背中の注射の痛みも取れて、お医者さんから「朝から寝てばっかりいないで、歩き回るように」と言われるようになったので「1週間くらいで退院できるのかなー」と思っていたらさにあらず「あと2~3週間は入院していた方がいい」と宣告されてしまった。
そ、そんなにいられないよー! 帰りの飛行機は8月15日に押さえてあるのに…と医師に告げるが「ビザも延長できるし、航空会社に連絡すれば帰りも延期できる」と何だか病院に居させたがっているようだ。うーん。細かい予定はキャンセルするにしても、22日にラルクアンシエルのコンサートがあるんだよなー。友達と頑張ってチケット取ったし、何としてでも行きたいなー。…という訳で交渉開始。
「22日に大事な仕事(ホントはラルクだけど)があるから、どうしても帰りたいんです」「不可能!インパシブル!」「もう健康ですよー」「まだ微熱もあるし、首も堅いし」「とりあえず日本に帰って、それから検査しますから!」「…(笑顔で首を横に振る)」と、なかなか交渉は成立しない。泣き落としもできなさそうだ。ううぅ。
 しかし諸友人達に聞くところ「華東医院は外国人ぼるって噂だからねー。早く退院できるんじゃないの?」という意見が圧倒的だった。気を取り直して翌日、翌々日としつこく拙い中国語と英語で「いつ退院できるんですか?」と聞きつづける。中国人の友人達にも聞いてもらう。答えはいつも「No」である。しかし入院10日目、やっと「…応該没問題」と、お許しが出た。
 やったー! としばし喜びに浸っていると、先生がにこにこしながらやって来て「もう一度腰椎穿刺をやりましょう」と言うではないか!
ななな何―! またあんなことやったら帰れないじゃないかー! もう恐怖と焦りで頭真っ白である。先生の「問題がないかどうか調べなきゃ」「たった6時間横になるだけだから」という説得にもただただ半泣きで「いやだいやだいやだいやだー!」と駄々をこねる。まるで子供のようである。私の中国語の先生達が見たらさぞかし嘆かわしかったろう。…しばらく揉めた後、先生はようやく諦めてくれ「じゃあ止めておきましょう。但し日本に帰国したら必ず検査を受けること!」と言ってくれた。た、助かった…。
 そんな訳で10日目に退院の許可が出て、2日後に病院から直接、帰国という事に なった。(つづく)


高橋留美



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