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上海蟹大辞典

10.上海蟹故事(1)-蟹仙人-


 
 黄金の秋、ゆであがった蟹が食卓にのぼり、真っ赤な殻をこじ開けると、いつも中には黒々としてふんわり軟らかい「蟹仙人」を見ることができる。その様子が座禅を組んでいる和尚に似ているので、それを「蟹和尚」と呼ぶ。陽澄湖のあたりでは、人々の間で法海和尚が変身した「蟹和尚」の話が伝わっている。

 『白蛇伝』の逸話で、美しい白娘子が法海和尚に夫を返してもらうために水漫金山までやってきた。法海和尚は仕方なく、白娘子を雷峰塔に閉じ込めざるを得なかった。蘇州、杭州一帯の民衆は次々に白娘子の味方をした。この知らせが玉皇大帝のところまで届き、彼はただちに太白金星を下界に派遣し調査させた。

 
 太白金星は神兵神将を率い、下界に降り法海和尚を捕らえた。法海和尚は急いで逃げだし、法海和尚は、追われ、陽澄湖の付近までたどり着いたとき、もう逃げ場がなくなったことに気づいた。切羽詰ったなか浅瀬の岩の隙間に一匹のシナモクズガニが、まさに脱皮の最中で体が柔らかく抵抗力がなくなっているのを見つけると法海和尚は蟹の甲羅の隙間にもぐりこみ、蟹の甲羅の中に隠れてしまった。
 
 
 蟹の甲羅に隠れた法海は心でひそかに悲鳴を上げていた。その後、彼は終日蟹の甲羅の中で座禅を組み、教えを守り修行するしかなくなってしまった。
 

 現在、上海蟹を食べるとき、蟹の甲羅の頭胸部先端に三角形の嚢状のものがある。これが法海和尚の変わった姿(蟹和尚)である。だからくれぐれも用心しなさい。たとえ急いでいたとしても、それを取り出さないで飲み込んでしまったら、おなかがいたくなるかもしれないと言われています。
 
2003'' 冬 Konok


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