|
その2
日系企業A社は中国企業B社の製品を大量購入した。その後、A社は買い取った商品をネット上で広告し、不特定多数に売却しようとした。B社はその行為について、「商標の侵害」とし、「ネット上の××製品の広告を即刻停止する」こと、さらに「ネット上にお詫び掲載する」ことを求め、訴訟も辞さない勢いだ。 今回のケースは、「ホームページに記載した連絡先住所が中国の会社(A社の現地法人)だったために、むりやり中国側の土俵に引っ張り込まれた」のではと解釈する中国人もいる。せめて日本の住所にしていたら、こんななぐり込みを受けなくても済んだかもしれないと言うのだ。 それにしても納得がいかないのは、メーカーB社はA社に製品を大量に売却しておきながら、A社に対し「再販するな」と言っている点である。当然B社は、A社が仕入れた商品を個人使用するなどとは思っていないはずだ。「売っておいて、訴える」これは悪質極まりない行為だ--とA社社長は怒り心頭に達した。 また、百歩譲って考えてみる。「仮にB社が包括契約を結んでいる合法代理店がある場合、これは確かに当社は違法だ」とA社社長。けれども、そもそもB社がA社に売却した事実はどう解釈されるのだろうか? 確かにそのファックスには、ファックス送付もとのメーカーB社にパートナーとして合法的な取次店が存在することを仄めかす一文が載っている。 「日本における弊社(B社)商品××については、合法的な(彼らの言うところの公開売買する権利を持った代理店というニュアンスか?)取次店が、貴社の無断広告についてファックスで弊社に訴えてきました」--というくだりがそれだ。 つまり今回、B社がA社を追求する裏には、さらにC社が介入していたという訳だ。 「×月×日××時までにネット上の広告を撤去しない場合は、何らかの法的手段で制裁します」とB社に言わせたのもC社の存在だったのだ。 時間の経過とともに事実が証されてきた。C社はA社とほぼ変わらぬ小さな日本の小売店で、なんら包括代理の契約も交わしていないことがわかった。こうした愚挙にでたのも、実はC社も大量に発注しており、メーカーB社では「お得意さま度」をてんびんにかけ、どちらの肩を持つかを決めたようである。さらに、B社は「法的制裁で脅す→A社ビビる→お詫び」というストーリーの上に、およそ今後はC社との取引に弾みがつくとでも思ったはずである。 (北倉亜沙) |