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「ムカついた暁には「物業管理」を全とっかえ」不動産管理編 その3
上海市内のあるマンション。ここは90年代初期に登場した上海初の分譲住宅として、メモリアル的側面を持つ物件でもある。当時、ここを買ったのは、多くが香港の投資家だった。現在は住人の多くが台湾出身者を占めるが、老朽が進むにもかかわらず、地元上海人にも欧米人にも根強い人気の物件のひとつだ。 ここで数年前、ある出来事が起こった。住人の決議で不動産管理会社を取り替えてしまったのである。 その当時の様子を聞いて回った。 これはある住人の回想だ。 「昔はひどかった。どうしてかって?それはね、園内管理の全権掌握してるのがたったひとりの門番だったから。彼のやりたい放題よ。気に入らない人間には挨拶もしないし、修理人も呼んでくれない。うちは水漏れが半月もほったらかしにされた。嫌われてたのよ、なんでかわからないけど。飼い犬まで蹴飛ばされたわ!」 さらにもう一人、彼女も聞いていて思い出したのか、その当時を思い出して加勢してきた。 「タクシーで帰宅すると、トランクを抱えていようが、土砂降りだろうが門前で下ろされた。ゲートから歩いたって三分以上はあるのに。タクシーを園内に入れると芝生が傷つくからとの理由なのよ、頭に来る。一体、誰のための『服務(サービス)』よ!芝生のため?それとも住んでる人間のため?」 このマンションに長い借家人のアメリカン、彼も言う。 「よく晴れた日にバラの花咲くガーデンの囲いに、自分らのフトンを運んできて干す。ここは管理人の家じゃないんだぜ」 いつかこのオヤジを辞めさせたる、いや、もう管理会社ごと全とっかえだ!おそらくこんな感じで住人に火がついたのだろう。しかも幸いにしてここは香港の投資家が圧倒的多数だ。香港人は管理組合の組織と運営方法を知っている(しかし日本で言う管理組合とはだいぶ違う)。理事長に就いた者が運営費の多くを賄うことから、それこそ利権と結びついて暴走してしまう危険もあり、そのものには賛否両論がある。だが、今回のようなケース、たいていは管理組合という概念もないところで「没方法」で終わってしまうところを、ひとつの方向転換に成功したのだ。 そして彼らは「住人第一」をゲットした。 修理人はいつ何時でも飛んでくる。どんな小さな修理でも、きちんと「発票」と交換に修理代を受け取る。門番に変わって、雇われの保安が勤務するようになった。制服組はここを自分の家だと勘違いすることはない。園内の緑も大切にするが、住人の主張にもちゃんと耳を傾ける。 今では、住人、緑多い平和のシンボルとしてこの住まいをこよなく愛している。 (北倉亜沙) |