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「物価局のハンコ持って出直しっ!」 不動産管理編 その1
上海在住の外国人(外籍も含む)がよく泣かされるトラブルと言ったら、やはり住まいの管理面の話が圧倒的だろう。先日も、浦東のある外国人向け高級マンションに住む奥さん方の間で、こんな話が出回った。 「電球換えてもらっただけなのに、なんで400元もとるのかしら?」 パリンととんだ電球の修理費用、発票(領収書)には確かに400元と書いてある。 たった1個の電球、一体どういう高級な方法を使って取り替えたらこんな値段になるのだろうか?電球1個、スーパーで買ったって数元足らず。そこに「取り替え」という付加価値が付いたって、それが「三百多元銭」というのはあまりに法外なのではないだろうか。 一方、先日も香港人が比較的多く住む居住区内で、修理上のトラブルが発生した。ある家庭でトイレの漏水を修理させたところ、やはり法外な値段を請求されたというのだ。 漏水なんかは、便器の後ろの直方体のタンクをちょこっと修理するだけで解決できる問題のはず。ところが、そのご家庭、なぜか「便器の全とっかえ」を強要されたと言う。 しかも併せて700元也。「超アヤシイ」と周辺の奥様方はすでに警戒態勢に入った。聞いてみると、あるある、台湾人、香港人ですらも、この修理人たちの巧みな話術にすっかりはまっていたと言う。実は最近、この手の悪質な修理が園内で横行していたらしいのだ。 実はこの修理人、守衛との癒着でもって、この居住区に進出してきた外地人。守衛は彼ら以外の修理人の出入りは禁じているので、天下をとったも同然だ。水道のパッキン修理に20元、ちょっとネジしめるだけで10元……。 確かにここは金持ち香港人が多く住む場所なのだが、地元上海人の水準からしても、やはり「高すぎる」法外な報酬を請求している無法地帯ということになる。日本人が住む居住区なら推して知るべし、どれだけ根拠のないお金を請求されていることか。確かに日本円に換算すれば、たかが知れてる。与えられたサービスにどれだけの対価がふさわしいのか、こちらも見過ごすわけにはいかないだろう。サービスという形のないものだけに、積算上の概念がどんぶりならぬ、オオナベになりかねないのだ。 一方、電球の件については結局こんな形で決着がついた。 頭にきた奥さんは、修理人たちに向かってこう言った。 「電球1個が数百元するってことよね、これは。じゃ、物価局行ってハンコもらってきてよ、そしたら払うから」 上海の店頭に並ぶ商品は全て、何ら根拠のない価格が横行するのを防ぐため、物価局でのファイリングが義務づけられているのだ。 また、きちんとした会社ならどこでも、その会社の販売対象となるモノ、サービスに関して、ちゃんと物価局に申請を通していると言う。 さて、その後経過すること数ヶ月。やはり電球1個数百元は、この上海にありえない存在だったのか、彼らからの音沙汰はすっかりなくなった。 ところで、これは電球に限らず、どんな場合にでも応用できるひとつのテクだ。「何もわからない」と思われてる外国人の唯一の防御手段になりうるだろう。 (北倉亜沙) |