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今年5月28日、ベルギーで鶏とそのタマゴの中から、正常の濃度の200倍(新民晩報では1000倍とも)のダイオキシンが検出された。『解放日報』によると、「ベルギーはオランダ産の飼料を使っており、オランダの飼料工場がダイオキシンで汚染されてる脂肪を混ぜたことに起因した」と伝えた。 6月9日、すでに中国は国家衛生部の緊急発令で、今年1月15日以後、欧州4カ国(ベルギー、ドイツ、フランス、オランダ)から輸入した乳製品、原料、半製品を含む鶏、牛、豚肉の食品について、即刻販売を禁止した。その後、テレビでは、輸入粉ミルクを中心にどのような食品が危険性があるかを何度か放送した。 「牛肉、豚肉食うべからず」に続いて、この撤収騒ぎ。しかし今回は、上海市民は比較的冷静に事態を受け止めている。それというのも、政府の速やかな措置と、売場での回収がスムーズに行われたためであろう。フランス資本の「カルフール」をはじめ、大手スーパーでは、疑いのある食品は全て棚から撤去し、その理由を掲示するなどの対応が、さらに市民の理解を進めたとも言える。 ところで、ほとんどの上海市民にとって「ダイオキシン」は初めて接する概念だ。ダイオキシンは中国語に直すと「二悪英」。だが報道関係者すらも未だ「何それ?」という世界。一般市民は、その恐ろしさについて知る由もない。もちろん、新聞紙面にはダイオキシンの説明もあるが、なかなか老百姓の間でウワサにならないのは、彼らにとってダイオキシンが海のモノとも山のモノともつかないからなのではないだろうか。 一方、香港では6月5日から一転してダイオキシンパニックに。香港紙「東方日報」には連日、「恐慌」の文字が躍った。5日は食肉パニック(同紙「毒肉恐慌」)、6日はタマゴパニック(「毒蛋恐慌」)、9日は食品パニック(「食品恐慌」)と、むしろこれが民間の混乱を促したのではないかと思われるほどだった。 しかし香港市民の不安を煽ったのは、香港衛生署が出した撤収通達にもかかわらず、依然、「うちの製品は安全だから」と居直る小売店の存在だった。香港市民も買いだめタイプの消費行動をするとあって、冷蔵庫には最も危険とされる期間中に製造された粉ミルクやその他の食品が貯蔵されている。通達は、「これを他の商品に交換するか、金銭を返すか」という内容だが、それ応じない小売店の続出で、香港の消費者協会は電話回線がパンク寸前になったという。さらに、1月15日以前のものについて「なぜ安全と言えるのか、その証明がない」という理由も香港市民を恐慌に追いやった。 同紙の続報をまとめると、家禽、畜産品、粉ミルクの他にもタマゴ、牛乳、チーズ、チョコレート、ケーキが危ないとされている。香港はそれこそ多くを輸入に頼っているため、事態は想像以上に深刻のようだ。 香港市場を占める比、荷、法、独からの輸入豚肉の割合は18.83%(『東方日報』より)、しかもこの数字には挽肉など副産品が含まれてないので、実際その影響は生活者の奥深くまで浸透していることが伺える。またタマゴに至っては50%近くがオランダ、ドイツからの輸入であるが、今回の騒動ですでに合計5000万個に及ぶタマゴが海の中に捨てられたと報じられた。市民は北京産のタマゴに飛びつき、供給を上回る需要の多さから、物価は軒並み急上昇。数少ない国産食品に群がる市民が価格を押し上げている。 (北倉亜沙) |