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第3話
マレーシアでは昨年、人体に有害な薬物を含んだ食肉を販売した業者に対する罰則を法律で改正したと言う。これは生産段階での薬物の違法な使用が社会問題になったためだ。 その薬物とは興奮剤や抗生物質で、興奮剤は肉用家畜の成長促進剤として使われ、抗生物質は病気の予防のために飼料の中に混ぜて使われている。例えば抗生物質が残留している肉などを食べた場合には、特定の病気に対する抵抗力を低下させる恐れがあるという。 マレーシアではすでに消費者の食肉に対する安全性への感心は高まっているのだが、さて、大陸中国ではどうだろうか。 台湾出身で上海に在住のある主婦はこう言った。 「台湾ではすでに問題になっている。たった1ヶ月で成長する鶏、そのホルモン剤に注目し始めている。上海もこの問題がすでに到来しつつあるのでは」 案の定、その余波が現れている。 今年6月1日の児童節ですら、虹橋に近いケンタッキーの満席率は80%程度だったのだ。児童節なら子連れでケンタッキーフライドチキン、それが中国のこどもの日の典型的な過ごし方だったと言うのに。 ある子連れは「去年なんて並んで並んで、必死で買いました。児童節じゃなくても、ケンタッキーでの買い物は人が押し寄せて大変だった」と話す。 上海っ子はもうケンタッキーの味に飽きてしまったのだろうか……。 「ファストフードの鶏はホルモン剤が添加されて危険」--。 日本でも、こうした問題は市民団体の働きかけで一般主婦らの認知するところになった、それもごく最近のことだ。 あれだけ熱狂したケンタッキーのチキン、それを食べなくなった上海市民。風説によると「食べ続けると子供の鼻の粘膜が弱くなり、くしゃみが止まらなくなる」とか。 ケンタッキー信者の異常な減り具合に、奇妙さを感じているのは筆者だけだろうか? 同じ中国人ですら、「食をビジネスにする中国人」に、目に見えないが故に拡大する、一種の恐怖を感じとっているに違いない。 (北倉亜紗) |