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在上海日本国総領事館 領事兼医務官 古閑比斗志
金の切れ目が縁の切れ目(自分の命を守るためには?)
−日本への緊急移送について−
海外での医療は日本国内の医療とは全く別物です。
先日もノルウェー総領事が上海で亡くなられました。脳出血で、上海市内の病院で手術を受けたのですが、手術後再出血し、なくなられたのです。
またある方は、激症肝炎で亡くなられています。
今年に入って既に上海周辺では10数名の日本人が亡くなられております。
勿論死亡原因は多種多様にわたっておりますが、一般的に言って、心臓疾患、脳疾患、激症肝炎、事故死が殆どです。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の患者さんは奇跡的に助かりました(このケースは上海市外から緊急搬送し市内の病院で脳血管造影後手術施行。しかし現地の病院で助からないと引導を渡されていたケースです。領事館に連絡を受けたため、上海から日本留学経験のある脳神経外科医師を派遣し、何とか命を取り留めることが出来ました)。
医療費は海外に於いては非常に高価なことは常識ですが、さて上海から日本に緊急移送されるケースについて考えてみましょう。
中国国内の医療費を最大限500万円と見積もったとします。
そこから日本に専用ジェット機(医師同伴)で移送するためには幾らぐらいかかるでしょうか?(上海の病院から日本国内の病院まで救急車で搬送し、かつ空港内に救急車を乗り入れさせる)
昨年までは1000万円以上かかりましたが、現在は日本から緊急移送用のジェット機を使用することによって、500万円程度に抑えることが出来ました(勿論日本国内の行き先によって、価格の変動はある)。
これによって、海外旅行傷害保険1000万円加入していれば、無事に日本まで生きて帰れるということです。逆に言えば1000万円の保険に入っていないと自腹を切らないと帰国できないと言うことです。
勿論殆どのケースでは、コマーシャル便を使用して帰国することが出来ます。ストレッチャー(移動式ベッド)の場合、4席から6席使用します。
しかし人工呼吸器やそのほかの医療機器が必要な場合には一般便では搬送が非常に難しくなります。
また中国国内の法律によって、B型肝炎の場合には一般便は使用できません。勿論入院も伝染病病院となります。激症肝炎で死亡した場合には遺体は搬送できません。当地で荼毘にふされます(小生は因みに家族4人で年間20万円ちかく保険料を支払っております。勿論高価なお守りと考えておりますが)。
しかしながらこれらの手続きは非常に難しく個人で行うことは殆ど不可能です。専門の医療サービス会社を通して、手続きをする方が無難です。
なお総領事館では医療に関する相談を受け付けておりますので、お気楽にご連絡下さいませ。■
(2000年5月25日記)
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