上海エクスプローラー

生活情報/GOLFER'S PARADISE/ゴルファーの輪

ゴルファーの輪

本コーナーでは、上海のゴルファーに、ご自身の好敵手、天敵、カモ等お友達のゴルファーについての紹介記事を執筆いただいております。

ご紹介いただく内容は何でもOKです。ゴルフスタイル(小技がうまいとか、勝負弱いとか、妙にエッジにボールを止め、オリンピックをさらっていくとか等々)、その方との名勝負等何でもかまいません。

執筆者については、紹介を受けた方に新たにご自分のお友達についてお書きいただくこととしています。


お友達:井部竜哉さん(浦東香格里拉大酒店)
紹介者:井上千春(上海JVC電器有限公司 )

JVCコンペの幹事を務めております井上です。 このコーナーに登場されたほとんどのお方を 存じ上げておりますが、皆さんシングルの腕前 なのに私みたいなアベレージゴルファーが登場 してコナーを汚してしまい申し訳なく思います。 さて今回ご紹介しますのはシャングリラホテルの 井部さんです。井部さんもJVCコンペのメンバーで 初参加の時、パーティーでさんざん飲んだあとに 「あとハーフやりましょう」という、とんでもない友人 たちといっしょにプレーしたのがきっかけでした。

この時の4人はほとんどレベルが同じでたった一回の プレー後に今後は永久スクラッチでの握りを約束しました。 そして9月のコンペでこの4人を同じ組にして再度プレーを した時のことです。いかにも営業マンという口達者な井部さん は、「ここ2ヶ月忙しくてクラブも握っていません」と言い 案の定スタート1打2打目ともチョロをしてくれました。 朝練をして駆けつけた私はナイスショットでフェアウエイ中央です。 今まで負けっぱなしだったので今日はお返しをしていただけると ニンマリとしていました。

ところがグリーンにオンしたらワンパットで沈め銀・次のショートは ニヤピン・次もワンパットあっという間に10ポイントです。 今まで簡単に打っていたのがやけに今日は慎重です。 結局ショートホールは全部ワンオン・2バーディー・ニヤピン3ホール オリンピックも一人舞台、終わった時には38ポイントとダントツ、 私は屑鉄1個の1ポイントと惨敗でした。 そしてこの日から彼は”シャングリラの鬼”と呼ばれるようになりました。 次の日自分から”シャングリラの鬼”を名乗りメールを入れてきました。 「昨日は色々お心遣いありがとうございます。やっぱりゴルフは 練習しないのが一番ですね」と

JVCコンペでは毎回アオケイという競馬新聞を発行しています。 彼の馬の名前はシンクシャングリラとしておりましたが 次回からはきっとシャングリラノオニに変わっていることでしょう。 営業をしている時とゴルフをしている時また夜遊んでいる時と きっと3つの顔を持っています。でもひとつだけ変わらないのは いつの時もユーモアを忘れないところだと思います。 それが一番の魅力です。

ゴルフでいろんな人と知り合うことが出来ました。 スコアーはいいにこしたことはありません。でも所詮プロゴルファー になるわけじゃないのですから、やっぱり面白く・楽しいゴルフを していきたいものです。


お友達:井上千春 さん
紹介者:鳥羽秀徳

ゴルフコンペの名幹事を紹介します。 その人は井上さんです。今までいろいろなゴルフコンペに参加していますが上海J VC電器主催のコンペが運営といい、企画といい上海で一番ではないかと思いま す。(飲み屋にたとえるならば、勘定払って帰る時に気持ちがよくニコッとできる そんなコンペです。)それを支えているのが井上さんです。

彼の人柄がそうしているのか異業種の集まりなのですが非常に和気あいあいとした雰囲気がありますし、毎回ウイットにとんだ個々のコメントに感心させられます。又、うまいのは幹事だけでなくゴルフの方もテクニシャンで特にドライバーとパターは皆に一目置かれています。

ドライバーはフェード、ドロー思いのままです。但し、あれだけ正確なショットができるのですからもっと真っ直ぐ狙ったほうが効率が良さそうな気がしますがそれが”井上ゴルフ”手作りの面白さかもしれません。 パターも集中力バッグンで入りだ すと止りませんこれも夜の練習成果の様です。 その他最近アイアンの調子がイマイ チとのことですが以前定山湖でご紹介頂いたシングルプレーヤーの岡本さん、勝負強 い宮澤さん(JVC)と一緒にラウンドした際、全ショートホール井上さんにニヤ ピンを取られた記憶があります。

いずれにせよユニークで楽しいゴルフアーの一人 です。今はお互い口が技術を上回っていますがいつの日か技術が口を上回る様又、井 上さんみたいに緊張の中に遊び心を忘れないゴルフアーでありたいとおもいます。


お友達:鳥羽秀徳さん(上海住友倉庫)
紹介者:岡本秀男さん

ゴルフの醍醐味を感じさせてくれる人、私にとってその一人は鳥羽氏である。鳥羽氏との出会いは私が上海に赴任して半年ほど経った頃、突然名も知らない鳥羽氏から電話があり、貴方はゴルフが好きだそうですね?春節は日本に帰りますか。帰らなかったら僕にゴルフ付き合って下さいと・・・!! 突然のこの一言で迷う間もなく、OKの返事をしました。

顔も知らない人柄も知らない人に気軽にOK出来たのは、何となく相手の人間性が快く感じ、気さくで頼もしく思えたからだと記憶しております。(実は淀山湖G.C.の陳さんからの紹介だったそうです。)会ってみれば想像通りの人でした。私にとって、上海に来て良かったと初めて感じさせてくれた人でした。(変な意味ではありません。)

それから何回となく、一緒にラウンドさせて戴き、先ず驚いたのは、読んで字の如く鳥の羽の様に飛ぶわ飛ぶわ。学生時代に鍛えた体から飛び出すドライバーショットの凄さ、プロに勝るとも劣らない飛び、本当にダイナミックゴルフという名に相応しい人だと思いました。

それからは、鳥羽さんの虜になり、余程の用事でも無ければ一緒にラウンドさせて戴いています。
鳥羽さんの良いところは、OBが出ても失敗しても決してスネない、オコらない、イジケない、いつも前向き。
今のはいい当たりだった。ちょっと方向がズレただけと、プラス思考に楽しむ。プラス思考に楽しむ。ここが好きですね。

ゴルフを楽しむには、色々なタイプが有ると思いますが、スコアーに余り拘らないで(良いに越した事はないですが)、伸び伸びとゴルフを楽しむストレスを発散させる。我々はこのタイプですね。人によってはスコアーに拘り過ぎてかえってストレスを溜める人、でも私は、ある意味での拘りは有ってもいいと思います。

誰しもがゴルファーとして、一つでもスコアーを縮めたい、少しでも良いアベレージを残したい、これが有るからこそ飛ばしや、グリーン周りの小細工、パターに至るまで熱が入り、挑戦できるのだと思います。(男は何にでも挑戦、鳥羽さん自分だけ楽しまないで、色々教えて?)

私自身ゴルフは、より多くの人と出会いを作り遊び心で楽しむものと思っています。皆さん、鳥羽さん、是非今後も気軽に声をかけて誘って下さい。これからも一生懸命楽しみましょう。


お友達:岡本秀男さん(上海日硝保温瓶胆有限公司)
紹介者:佐藤英史郎さん

 野球のピッチャー出身の方にゴルフの上手な人が多いと言われますが、岡本さんは正にその言葉がぴったりと当てはまるお一人です。

 岡本さんとは、1年半ほど前のあるコンペで出会いましたが、この日強く印象に残ったことが2つあります。
 一つ目は、なんと立派なクラブをお持ちなのかということでした。私もゴルフを始めて10年ほどになり、過去クラブ選びに熱中した時期がありました。この名残りか、それともゴルファーとしての習性か、岡本さんのキャディーバッグの中味をそれとなく拝見させて頂くと、その当時高嶺の花であったヒロホンマ製4つ★のクラブがそこにありました。田舎者の習性でついつい値段を聞いてみたくなり、「おいくらですか。」と言うと、なんと1本で私のアイアンセットが買えてしまうほどの金額を言われ、唖然としてしまいました。同伴の方々もいっしょになって「すごいですね」と言うと、岡本さんは、平気な顔をして、「まだ上に5つ★があります。上から2番目で安いもんですよ。」と軽い返事。
 ホンマ製のクラブには、難しいというイメージもあり、実際にはどんなゴルフをされるのかという興味を強く持ち、いよいよラウンドが始まりました。ティーショットを見て、道具以上に驚いてしまいました。50才を越えた年齢とはとても思えないしなやかな体から打ち出されたボールは、とてつもない距離を飛んでいきました。決して力強さを感じるショットではないのですが、250ヤードをゆうに越える飛距離に、あらためてスイングの大切さを思い知らされました。岡本さん曰く、インパクトのスピードを増すためには、トップからいかにゆっくりと降ろしてくるかがポイントであるとのこと。頭ではわかっているのですが、これがなかなかできません。岡本さんのドライバーは、ホンマ製ではなく特注のものだそうですが、そのフェース部分を見ると、丸くボールのあたった跡がくっきりと色落ちしています。よくもまあ同じところにボールがあたるものだなあと感心してしまいました。

 二つ目は、誉め上手ということです。「誉め殺しの岡本」という異名をとるということを後で聞いて、納得してしまいました。私も上海に赴任して以来現在で2年余り経ちましたが、前回ご紹介を頂いたマイツの池田先生を初め、住友倉庫の鳥羽さん、小川不動産の佐伯さん、テクノポリマーの本多さん方のおかげでいろいろとゴルフをする機会を得られるようになりました。上海でゴルフができるようになってからは1年半ほどですが、これまでに多くの人とラウンドをさせて頂きました。その中でも、岡本さんほど同伴の方々のプレーを誉める方はいませんでした。岡本さん自身京都ご出身ということもあり、独特の言い回しで上手に誉めてくれます。この日の調子は決してよくなかったと記憶していますが、誉められるとその気になってしまい気持ちよくラウンドすることができました。このような姿に岡本さんの温厚なお人柄を感じるわけですが、プレーそのものは言葉の優しさとは裏腹です。ロングホールでは常に2オンをねらっていくし、どんなライからもピンをデッドにせめていく激しいゴルフをされる方でもあります。
 こんな方々と長くラウンドしていると、私の悪い癖で、また飛距離へのこだわりを持つようになってしまいました。過去何度となく、飛距離への執着がショットそのものを崩してきました。現在絶不調下にある私が、この不調から脱するべく、最近、ドライバーをタイトリストのチタンに換えて再起をめざしたのですが、未だ五里霧中。岡本さん、ドライバーの打ち方を教えて下さい。




お友達:佐藤英史郎さん(上海日本人学校教師)
紹介者:池田博義さん

佐伯さんからはドチャンウー(上海語でゴマスリ!かき混ぜるの意味)な紹介をしていただいた小生。今日は上海に来て最もゴルフが上達された方をご紹介。
上海日本人学校でゴルフを教える?間違いでした教鞭を執られている佐藤先生。大分の山奥?から2年前に赴任されてこられた彼。最初住友倉庫の鳥羽さん(この人も飛ばさん、飛ばさんと言いながらなかなかのロングドライバーを放ちますが……)からの紹介を受け96年9月に初対決。

コースは鳥羽さんと小生のホームコースである淀山湖ゴルフコース。1番ロングホール、そこそこのティーショットを打ちながらグリーン近くでミスが続き彼はファイブオン、記憶ではダブルボギーのスタートだったように思いますが、取り敢えず飛ぶのは飛ぶのですが当時はアプローチがイマイチという感じ。

あまりのミスの多さに「佐藤さん、アプローチの時もう少し左足に体重を乗せて打ったら……」
「分かりました。やってみます。」この後アプロ−チの上手いこと上手いこと。それまでグリーンにオンしたボールコロコロとランしていたのがピタッと止まり始めもう手がつけられなくなったのであります。

ホールアウト後話を聞くと「上海に来てゴルフを誘ってくれる人が無くて困っていたんです。日本にいる時は毎週ゴルフだったんですが……」という話。それなら私と同じと意気投合しその後は月に2〜3回は必ずラウンドする仲になりました。
昨年7月には伊藤家さんのコンペで73、翌日の上海グリーンクラブのコンペでまたまた73と立て続けに生涯ベストにて優勝、ベスグロを攫い、私は78、77でも追いつかなかったことを思い出します。

調子が悪くなると二人で練習場に駆け込み、ああでもないこうでもないとゴルフ談議。
先日は奥さんの手料理までいただきましたが、上海でない限り多分このような出会いはなかったのでは?と思います。

学校の任期は3年と聞いていますが、上海におられる限りお付き合いしたい私にとって大切なゴルフ仲間です。(でもあまり上手にならないでネ!)




お友達:池田博義さん(マイツ公認会計士事務所)
紹介者:佐伯悟さん

 私のゴルフ歴はまだ10年を少し超えた程度だが、その間にもさまざまな人達とプレーをともにさせていただいた。それぞれに思い出も多く、記憶に残るプレーもまた数多く経験させていただいている。上海に来て6年、毎年70ラウンド近くプレーをしているが、特に親しくプレーをしていただいている方に池田博義氏がいる。

 彼とのプレーももう3年近くになるが、一緒にプレーをする度にいつも関心させられることがある。安定した下半身から常に一定のリズムで始まり同じフィニッシュで終わる彼のスイングには基本がしっかりと備わった様子がうかがえるが、それとは別にすばらしいと思うのは彼のゴルフに対する姿勢である。

 そのことでは一つの思い出のプレーがある。私の友人が主催したコンペに彼は夫人と秘書の女性をつれて参加をした。私の場合家内を始めとした身内とラウンドしたら、必ず崩れてしまう。特別理由があるわけではないが、結果いつもそうである。しかし、彼はこの日「73」という驚異的スコアでラウンドした。途中の経過についてはよくおぼえていないが、最終ホールわずか1メートルのパットを外してこの結果である。言うまでもなく主催者側が用意した豪華商品は彼が一人占めの結果と相成った。

 この日のプレーで私が感じたことは、ゴルフは自分との戦いであって、同伴者が誰かれでスコアがどうなるかは本人の言い訳で、自分に勝つことが高スコアにつながるのであるということであった。

 プレー中には不安になる時がよくある。

 朝一番のティーショット、はたしてうまく当るだろうか?セカンド以降のショットについても常にその不安がある。バンカー等にいれればなおさらで、パットに至ってはその不安が最高となり、結果が少しでも悪いとまたその不安が倍増する。

 ゴルフは技術とあわせてメンタル面が大きい。そのメンタル面の調整法を私は池田氏とのプレーの中で教えていただいている気がする。池田氏と言えどもいつも70台のラウンドばかりではない。時には大きく崩れる時もある。そのときにも彼は紳士である。

 そんなプレーヤーに私もなりたい。


お友達:佐伯 悟さん(小川不動産)
紹介者:大薗治夫さん

  ああ、今見出しに名前を書いただけで指が震えた。ネズミにとっての猫、携帯電話にとっての延安東路隊道、小姐とデートする駐在員にとってのパリ春天が大薗にとっての佐伯さんである。

佐伯氏とはともかく相性が悪い。いわゆる天敵である。彼とのラウンドは必ず叩いてしまう。この相性の悪さはある日のラウンドに始まった。これからそのラウンドについてご説明しよう。やや詳しすぎるかもしれないが、私のゴルフ人生に大きな影響を与えかねない出来事であり(ちょっと大げさだが)おつきあいいただければ幸である。

昨年秋は大きなコンペが続いた。年2回の大コンペの秋季大会、上海ゴルフ協会主催のケニー杯・協和杯、各ゴルフ場の実力ナンバーワンを決めるクラブチャンピオンシップ等だ。この時期は平日の夜に時間がある日は練習場に行き打ち込んだ。週末はコースに行き、ドライビング・レンジでのストローク練習、練習グリーンでのアプローチ練習、ラウンド、再びドライビング・レンジでのストローク練習というメニューをこなした。猛練習である。調子は上向いていき、10月の末頃にはほぼ絶好調の状態となっていた。その結果一連のコンペではまあまあの成績をおさめ続けた。

一連のコンペの最後は某ゴルフ場のクラブチャンピオンシップである。この試合は予選はストロークプレーで16人を選抜し、その後は予選を勝ち残った16人のマッチプレーで争われる。真の実力では優勝はとても無理だが、私は一発屋系である。ダブルボギーも多いがバーディーも結構とる方だ。今から考えれば身の程しらずもいいところだが、「マッチプレーなら運がよければ優勝だって夢じゃない」と考えていた。予選は4位で通過した。すなわち第4シードである。下馬評では準決勝までは私が勝ち進み第1シードの人と当るのは確実視されていた(私の山の方々ゴメンナサイ。私が言ったんじゃありません。下馬評です)。準決勝及び決勝の日程は当事者同士の話し合いによって決められるが、第1シードの方は、予選修了直後に私と当るものと決め、試合の日程調整にこられた(再びゴメンナサイ。第一シードの方が勝手にそうされたのですよ)。

1回戦はなんとか勝利し、2回戦に進んだ。相手は佐伯氏。ちょっと嫌な感じもするが私は絶好調だ。負けるはずはない(と思っていた)。

試合開始。1番ロングホールティーショットにていきなりテンプラかつフックをうちOBである。でも私にはよくあることだ。むしろ力みがとれ、その後17番までのティーショットは自分でも驚く程のグッドショットが続くこととなる。このホールの打ち直し第3打、第4打と大変良く、4オン2パットのボギーで上がった(といっても佐伯氏はパーだったためこのホールは落とした)。

2、4、5番ホールと順調にポイント獲得。2アップである。「もうこっちのペースだ」(と思った)。

6、7番で私はグリーン・オン・レグレーションでパーである。佐伯氏はどちらのホールでもバンカーに入れたが、バンカーからしっかりピンによせワンパットで、結局分けた。いやな予感がした。

9番では私がポイントしアウトを3アップで終了した。

10番ミドルホールも2オンである。佐伯氏は3打目をピンから20ヤード位の位置にあるバンカーに入れた。「これはいくら何でもワンパットはないだろう」(と思った)。しかし彼はここからピンそば1メートルに寄せてきた。ショックを受けた私は3パットで結局このホール分けてしまった。流れが変わってきたのを感じる。

11番を分け、12番ミドルホール。私は2オン、ピンから3メートル。佐伯氏は2打目バンカーである。「ここは負けはなさそうだ」(とちょっと弱気になっている)。佐伯氏の3打目はピンから3メートル。そう入る距離ではない。「おっ、勝てそうだゾ」。しかし彼はロングパットを決めパーにしてしまった。他方ショックを受けた私は3パットしてしまった。2パット目は30cmしかなかった。100回打ったてはずさないような距離である。2アップとなった。もう完全に佐伯氏のペースである。

13番を分け、14番、左、前、後ろが全面池のショートホール。185ヤード程だが奥ピンかつ強いアゲインストであり210ヤーぐらい打たねばならない感じである。

「ここはパーは難しいですね。ボギー勝負ですかね」

これに対し佐伯氏は
「そうだね。右の花道を狙って寄せ勝負にしようか」
といった。

私はロングアイアンが打てない。よって200ヤード〜220ヤード位は一番苦手だ。彼がボギー狙いでくるとの言葉を聞き安心し、5番アイアンを持ち右の花道狙いで寄せ勝負にでる準備をした。

佐伯氏がティーショットをする。きれいな放物線を描き見事なワンオンである。やられた。

5番アイアンではグリーンにとどかないかもしれない。でも4番以下では芯をはずし池に落ちるかもしれない。そこで芯に当る確率の比較的高い5番ウッドを手にした。打った玉は絶妙なドローボールである。背中で佐伯氏が「やばい。寄ちゃったよ」

悪くてもイーブン、良ければこのホール勝って3アップだ。残り4ホールで3アップならまず負けない。ボールがピンの方向へ転がっていった。「おい、ホールインワンか??」

しかしボールはグリーン奥のピンをとおり越し、突然消えてしまった。奥の池に落ちたのである。

このホール落として1アップ。

 16番ミドルホール。ティーショットはよかった。残りは9番アイアンの距離である。ロングアイアンは下手くそだが8番アイアンくらいまでは自信がある。その上今日はショットがいい。まずパーである。佐伯氏は2打目を刻んで3オン狙いだ。まず勝ちだ。しかしこの時すでに私は佐伯氏の術にはまっていた。15番ホールまでは我々は冗談をいいあい非常に和やかな雰囲気でプレーしてきた。しかし佐伯氏は16番ホールで突然無口になった。そして同時に私は突然緊張してしまった。私は自信のあった9番アイアンをダフリかつヒッカケ池に落とした。ダフリだけでもヒッカケだけでも地形からして池には落とさない。しかし併発したためダメであった。もうだめだ。遂にオールスクエアとなる。

17番ショートホール。もう同じような説明をくどくど書くのはやめよう。またバンカーからのワンパットをやられた。それも今回は5メートル近いロングパットだ。ワンダウン。

18番ミドルホール。弱気な私は9分どおり諦めている。ただ大変難しいホールなのでパーでいけば勝てるかもしれない。いつもは確実にスプーンでティーショットをするのだが一か八かドライバーを持ってティーグラウンドに行った。

ところが佐伯氏のティーショットはなんと池落ちである。それもすぐ目の前の池だ。これは確実にボギーをとれば勝てる。一度ティーアップをしアドレスもしたが、考え直してスプーンに持ち変えた。しかしこれが失敗だった。

ティーの高さを調整しなかったのである。ドライバーの高さにセットされたボールは高くあがって池に落ちた。

 結局キレタ私は再び池に落とし5オンである。グリーンで佐伯氏がグリーンから50ヤードの位置で5打目を打つのを待つ。私のパットは5メートルはある。まず入らない。このホール分けても私の負けである。

佐伯氏が打った。しかしこれが誠に珍しくトップで、グリーンを飛び越え池に向かっていった。キャディーはすかさず「お客さん。池です」。そしてゴルフ場職員のK氏。「池を横切った所にはドロップする場所がないので原点から打って下さい」。打ち直し第7打だ。このホールもらった。このホールをとれば次は1番ホールである。最初のような間抜けなフックさえうたなければ自信のあるホールである。勝てる。もう私の気持ちは次のホール、次の準決勝である。

佐伯氏がさあ打とうとする時である。ゴルフ場職員N氏が走ってきた。「佐伯さんのボール落ちていません」。実はキャディー、K氏、私そして当の本人の佐伯氏もボールは落ちたものと思い確認しなかったのである。しかしクラブハウスから見ていたN氏はそれを落ちていないことを慌てて伝えにきた。

そして私は負けた。

このゲームの後私は逃げるように上海に戻り夜中の2時まで飲んだくれた(つきあってくれたN氏、K君(N氏は先述のN氏と同一人物)ありがとう)。

敗因は、一つには私の技術不足。1番と18番で間抜けなテンプラを打ったが、もっと練習すればそのようなショットはなくなるだろう。試合を通じてロングパットは一つも入っていない。30cmのパットもはずしているし。パット練習も課題だ。

第二に佐伯氏の小技のうまさ。ストロークもすばらしいが、小技は本当にうまい。偶然だけではあんなにもバンカーからワンパットで上がれたりしない。見習わなくてはならない。

そして第三が精神力だ。佐伯氏は仕事もゴルフも真剣にやる人だ。上海での生活も長く、多くの苦労をされてこられ成功されておられる方だ。こういう方はものすごいパワー持っていることを実感した。彼のインのパター数を、(ちょっと暗いが)後で数えてみたら12パットである。私が逃げ返った後クラブハウスではコンペ参加者が我々の試合をつまみに酒を飲んでいたらしい。そこでは「やっぱりサラリーマンは軟弱だね」などということが話されていたらしい。そのとおりだ。


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