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湖北省赤壁古戦場の旅  2/11


  約2000年前の歴史遺産を今に伝えるこの古戦場への旅は三国志好きの私にとってはたまらない楽しみである。と同時に大都市を離れ、人民の生活のにおいがぷんぷんと漂う地方の小さな町を訪ね歩くいい機会となった。

T)蒲折の町へ
  三峡下りの終着点である武漢から、鈍行汽車に揺られ約2時間。蒲折市という小さな町に到着。旧正月を控えているせいか街中には「新年快楽」、「恭喜発財」などの祝い文字が多く目に付き、市場でも食料品、衣服、プラスチック製品等々ありとあらゆるものが所狭しと並んでいる。田舎町であるこんな小さな所でもモノに関して言えば、都市部と替らないぐらいの充実振り。豊かである。

U)赤壁へ
  蒲折から原付三輪車を乗り継ぎ、さらにローカルバスで約1時間、数々の農村を経由して赤壁村へ。途中、農作物を抱えた農民が次々に乗り込んでは降りて行く。バスの中は次から次に予想外な出来事が発生し、気が抜けない。 例えば…バス代をどうしても1元まけろと言って乗務員とけんかを始めるおじさんや(30分は粘ってた)、私の席の後ろでオエーと嘔吐を始めてしまうおとっさん(バス内ははギュウギュウ詰めで動くことができない)、目の前でガァーと痰つばや手鼻を切る人民…。物理的精神的ともに人と人との距離がとても近い。バスの中は中国の縮図とでも言うべき世界。

V)赤壁村
  正式名称は湖北省蒲折市赤壁鎮。歴史的に有名な地名であるがアクセスの悪さからか、ここを訪れる旅人はさほど多くない。長江沿いに広がる農村地帯の集落。赤壁という名前がついている以外は普通の村だ。
  村の入り口にさびれた旅館があり、商店があり、農作物や長江で獲れた魚を売っている小さな村。役場の隣には「計画生育=一人っ子政策」や「研究ケ小平理論」といったお馴染みのスローガンが書かれてある。こんな辺鄙な小さな村で、何でもないありふれているとも言える道を歩き、売っているものを自分の価値観で吟味、見物し、露天で飯を食う。訛りがきつく何て言っているかわからないおばちゃんとの会話や、ビデオカメラに興味津津の子供達とのコミュニケーション……。これらの地道な積み重ねが確かに私の中国感を押し広げていっているのがわかる。


赤壁から長江を望む。後ろの岩に朱色で「赤壁」の文字。


W)古戦場
  約500メートルばかりの村のメインストリートを抜け、三国志博物館などを見物。言葉の勉強のためにとガイドを雇う。中国語で聞く登場人物の響きもなかなかおもしろい。さらにしばらく歩くと長江が目の前に。かつて三国時代突入への幕を引をひいた大舞台、赤壁古戦場である。
  目的地到着の爽快感と三国史の英雄たちが活躍した時代におもいっきり思いを馳せる。道中の苦労が一気に吹き飛ぶ貴重な瞬間、ある意味極上の快楽と言えるかもしれない、なんて思ったりもする。次の目的地への鋭気を養ったら再び出発である。

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