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中国・知っておいたほうがいい法律知識

中国での債権回収


(少々堅い話で恐縮ですが、)日中間で売買取引を行われている方ならご経験があると思いますが、中国の会社に物を売ったがなかなか代金を支払ってくれない、支払いが遅れるのはまだマシな方で、全く支払わないことも時々あります。

これは、支払いをどれだけ少なくするかが経営責任者の腕の見せ所という風潮があるのもその一因ですが、裁判所が行う強制執行という最後の担保制度が十分機能していないのも大きな要因と思われます。

つまり、日本の場合でも相手方に資産がない場合は債権回収は出来ませんが、資産さえあれば強制執行という方法で回収が可能です。必要な手続を経れば強制執行は原則として必ず行われるからです。

しかし、中国の場合、裁判所で判決を貰ったが強制執行を申請しても裁判所が受けつけてくれないことや、幸いに裁判所が受けつけてくれても債務者や関係者等が実力で強制執行を妨害することがママあります。これは「地方保護主義」という考え方が根強くあり、又、地方に行けば行くほど法律を超えた政治力や人脈が物を言うからです。そして、裁判所自体もその地方政府に人事権や予算を握られているため、どうしても地元びいきの対応をしてしまうからです。

これを見かねた中方政府も、先日来、強制執行の正常な実現を図るようにとのお達しを地方政府に出した様ですが、果たしてどのくらい効果があるのかは疑問です。又、テレビでも強制執行の厳格な実施を特集で報道していますが、日本の様に(資産がある場合、)確実に強制執行出来る様になるまでには時間がかかりそうです。

こうした実情から、勢い保証を取りつけたり、担保を指し入れさせたりして債権の回収を担保するという方法を考えることになります。しかし、担保も最後は執行の問題が出来きますから、果たして現在どの程度の実効性があるのか疑問です。

中国との取引では、現状としてこうしたリスクがあることを踏まえる必要があるようです。そこで現状では、残念ながら取引先の信用調査と現金取引がこうしたリスクを回避する最も安全な方法と言わざるを得ないでしょう。■

(2000年8月掲載)



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