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中国・知っておいたほうがいい法律知識

上海の交通事故


ある人の試算によると、中国での交通事故発生率は人口と保有車両の相対比からいって日本の70倍だそうです。なるほど、1週間に一度は交通事故を目にしていますので、あながちこの数字も嘘とは言えないようです。

ところで、ガイドブック等では、上海のタクシー事情について相当な悪口を書いていることが多いようですが、現在では大分改善されてきているようです。例えば、シートカバーは必ず付けていますし、大部分のタクシーでは乗客用の雑誌や新聞を備付けています。また、ドライバーによっては行き先の復唱だけでなく行き先までどの道を通るのかを説明する人もいます。但し、多くのタクシー(特に中小のタクシー会社のタクシー)の運転は、日本の昭和40年代の神風タクシーを彷彿とさせるものです。

プロドライバーの運転するタクシーがこの状態ですので、一般人の交通マナーは(上海に来られた方なら誰もが経験しますが、)日本人の常識をはるかに超えています。例えば(勿論全部が全部ではありませんが、)、基本的に信号は直進車両だけにしか適用がありませんので左折、右折の自動車は平気で交差点に突っ込んでいき直進車両がそれをかわす。信号無視は当たり前。自動車が疾走している車道に歩行者や自転車が平気で飛び出し車がそれを避ける。横断歩道で人が渡っていても自動車がクラクションを鳴らして平気で突っ込んでいき横断者がそれをかわす等等。それに高架道路も車の流れを考えずに作っていますので、高架道路上で車の流れが交差し信号のない交差点状態になっていたり、突然の車線変更というより車線無視の蛇行運転が当り前といった状態で(但し、警官の目が光っている時は非常に交通マナーは良くなります。)、よく70倍の事故発生率で済んでいると感心します。

このような状態ですから、当然交通事故も日常茶飯事ですが、この事故処理については中国特有のルール?があるようです。まず、事故ったら当事者は、例え現場がどんなに込んでいても事故の起こった状態で車を止めたまま示談をします。3分以内に話がつけばそれでおしまい。話がつかなければ警察が登場して現場検証。現場見分調書を作成して、ついでに事故当事者の責任も警察が認定します。そして、警察が示談案を提案して示談の斡旋をします。ここで話が詰めばよし、つかなければ当事者同士又は代理人を入れての交渉、訴訟となります。

中国では残念ながら人の値段は安く、例えば半年のリハビリを要する人身事故で警察が提案した示談金は4,000元(約50,000円)という例もあります。この様な状態ですので、海外旅行保険は多少多めに加入されるにこしたことはありません。理屈の上では日本同様、損害、得られるはずだった利益等を損害賠償請求できるはずですが、実際にはせいぜい数万元程度が限界でしょう。

私達に出来ることは大手の定評あるタクシーを選んで乗る、歩くときは周囲の状態に十分注意する等限られていますが、「外国にいる」という意識だけは常に持っていることが必要でしょう。■

(2000年7月24日掲載)



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