我是大学生〜中医薬大学の教室より〜

☆五・一労働節スペシャル★
〜五・一労働節には旅行にいくべからずの巻〜その1


もくじ
1、はじめに。
2、果てしなく続きそうな鉄道の旅
3、山を上るのだけでは黄山ではない
4、黄山の温泉
5、ここで接した中国の人たち

1、はじめに

 上海の天気はすっかりとぽかぽか日和になり、時によっては汗ばむことも。
非常に過ごしやすいいわゆる”江南の春”の季節ですが、今年は大学の期末テストがちょうど労働節の直前に終了したため、中国の歴史上極めて珍しい中国版ゴールデンウイークを経験できました。まさしく”民族の大移動”が始まるだろうと予想されるこの時期に、上海中医薬大学の台湾人、華人の学生たちとそして私、日本人留学生で安徽の南部にある名勝、黄山へに登ってきました。メンバーは12人、行き4月30日は上海発の鉄道で、帰り5月3日は黄山からの飛行機で、また4月30日は汽車で一泊した後、5月2日を山の上のホテルで押さえておきました。5月1日は宿がとれなかったので、現地で探すことにしました。山の上のホテルは1ヶ月前に押さえましたが、それでもかなり苦労しています。行きの汽車も旅行社を通じて押さえましたが、帰りの鉄道は旅行社を通じてもおさえることが出来ませんでした。上海での切符発券カウンターでは上海発の切符は取れますが、黄山発の切符は取れません。そのため旅行社を通すか、黄山に着いたときに駅で予約を入れる必要があります。
 上海では1週間前から切符が予約できるようになりました。それでもこの時期は上海市内にある鉄道発券カウンターでは長蛇の列で、かなりの我慢が必要です。
 私たちは帰りの分の鉄道が現地でも上海の旅行社でも取れなかったため仕方が無く飛行機でとりました。これは出発間際でも空席があり、チケットはかなり取りやすいです。しかも実際の所要時間は鉄道の12時間前後に対してこちらは35分ほどです。
 なお現地の情報は<
こちら> をご覧下さい。中国語ですが、観光情報から宿泊情報まで詳しく紹介されています。

2、果てしなく続きそうな鉄道の旅。

 上海からは硬座普快臥、つまり3段寝台車(日本で言うB寝台クラス)が取れていたため、これはラッキーです。少なくとも寝て行くことが出来ます。座席車硬座はお勧めできません。この時期座れないだけでなく、下手すると犯罪にも巻きこまれる心配がありますので、くれぐれもご注意を!
 15:08上海発で、黄山には翌日の明け方3:30ほどにつく予定です。ほかにも朝出発して夕方着く便や、夜出発して朝着く便もあるのですが、残念ながらこ時期はこれしか取ることが出来ませんでした。この558列車は上海始発でもなく、また黄山終点でもなく、はるばる福建省まで走ります。未明に黄山に着きますが、乗車時に車掌がチケットを確認して、起こしてくれるので乗り過ごす心配はまずありません。
 鉄道は予想通りかなりの混雑でした。座席車に座りきれない乗客が食堂車に陣取ろうとして乗務員に注意される光景を幾度も見ました。しかし、鉄道に食堂車があるのは、良いものです。値段は少々高いですが、量が多いので、お弁当を買って二人で食べると良いかもしれません。ここでは1食20元でした。もちろんメニューからおかずを注文もできます。なによりも食堂車内で調理してくれるのでアツアツが食べられました。(写真1)

(写真1)

 南京まではかなりのスピードで走りますが、南京から先は単線のローカル線になり、行き違いでかなり待ちます。所要時間のかなりの部分を行き違いで費やしていると思われるぐらいよく止まりました。私は鉄道が好きなので、鉄道にのるたびにわくわくしてしまい、正直あまりねれませんでした。車窓を見ていると、停車のたびに駅では人の動きがあり、また売店も深夜でも営業していて、飲み物を買うのでさえ苦労する日本の夜行列車との違いを感じました。
 通路に折畳式の椅子があり、自由に座ることが出来ます。多くの中国人はそこに座って、ヒマワリの種をかじったりしているのですが、いつも困るのはタバコ。この煙はたまりません。原則はタバコはデッキとなっているのですが、見るに見かねた友達が注意しました。「タバコを吸わないで下さい」というものなら「ほっとけ。ここは公共の場所や。俺にもタバコを吸う権利がある。おまえもここで本をよんどるやろ?何が悪い?」と終わることのない議論。おまけにタバコを吸っている人の仲間までが加わってきます。こちらも12人いますから、さんざん騒いだ末、結局タバコを吸ったグループが引き上げていきました。これから先、この手のいざこざは後をたちませんでした。
 夜10:00をすぎると消灯になり、それまで賑やかだった中国人もいたって静かになります。ちなみに座席車では消灯はありません。

3、山を上るのだけが黄山ではない。

 黄山の駅を降りると、その町は屯渓と呼ばれます。黄山を登るときの交通の要所にもなります。ここから山のふもとまで行くマイクロバスに乗り継ぎます。山のふもとまではここからまだ1時間半はかかります。そのため色々な客引きがいますが、私たちもそのなかの客引きと交渉して、バスをチャーターしました。バスの料金は一人10元前後。うまく値段交渉をすれば、ついでに付近の観光ツアーにも行ってくれます。実は 黄山の周りには実にたくさんのスポットがあり、そのために私たちは一泊は山の下に泊まりました。そこは上海とはうっとかわってのんびりとしたムードの漂う農村です。水牛が農夫にひかれながら歩く姿をそこらで見うけられます。(写真2)ここらでは農業には欠かせない労働力のようで、道路でも真中を堂々と歩いていますが、時によっては牛が機嫌を損ねて農夫がいくら引っ張っても動かず、挙句の果てには交通を遮断してしまうこともしばしば。

(写真2)

 屯渓では、”老街”がお勧めです。(写真3)黄山ならではの山の幸、たとえば椎茸やゼンマイ、木耳、そして茶まで多くのものが手に入ります。特に椎茸はお勧めです。香りが非常によく、見た目も非常に立派な椎茸が手に入ります。また菊花茶も立派でした。花が上海のもののように分解してばらばらになってなくて、明らかに鮮度が良いのが分かります。

(写真3)

 そこからマイクロバスに揺られて1時間半ほどでつく湯口は、まさしく黄山の登山基地になり、多くの観光客が宿泊します。我々もここで宿をとりました。
 ここを起点にして、野猿渓谷、情人谷などをバスでまわることができます。
この野猿谷では安徽大学と日本とが共同で猿の研究をしていて、非常にすばらしい環境の中で一万匹の猿が暮らしています。(写真4)我々が行った夕方の5:00には餌付けがあり、猿たちが山から駆け下りてきました。

(写真4)

4、黄山の温泉?

 《地球の歩き方》にも載っていて、果たして本当に有るのかと半信半疑で温泉を探しに行きました。結果は・・・。
 温泉区まで行けば、そこはまさしく日本の温泉街のように谷に這うようにして多くの旅館が軒を連ねます。その中に温水プールと浴室があるとのことで行ってきました。
 プールは確かにありました。1回50元で、使い捨て水着ももらえます。値段はかなり割高ですが、料金表にもあり、ガイドブックにもそうあったのでとりあえず着替えて入りました。建物自体はかなり古く、それでも湯気が出ているところみるとそのようです。プールとするならば最適な温度かもしれません。ここのシャワーも温泉を使っていて、個人的にはこっちのほうを楽しみにしていたのですが、なんとぬるま湯。実は源泉は42度あるとの事なのですが、このプールがあるところまで来ると冷めてしまい、このありさま。震えながらシャワーを浴びたのでした・・・・。話によるとこのあたりのホテルにもまだほとんど温泉を引いていないとか。そう言えば上海にいてもあまり入浴する習慣のない中国の人々、しかし日本の温泉を想像してしまった私の失敗でした。
 個室の浴槽もあることはあります。値段は80元。これもガイドブックどおりの値段でしたが、周りに他の客はまったくいなく、また壁に貼られた女性の絵に度肝を抜かれて、結局入らずに帰りました。
 しかしぬるま湯でも出ることがいかに有りがたいのか、じつは宿に戻ったら給湯器の調子が悪いそうで、こちらも冷水。上海ではごく当たり前の熱湯がこちらではどれだけ貴重か、地方を旅行するときはいつも痛感します。これから黄山に行かれる方、宿に着いたらまずシャワーを使える時間を確認してください。もちろんこの時間も中国時間であることを忘れずに・・・。

5、ここで接した中国の人たち。

 上海に長くいると、上海で当たり前のことが、じつは上海だけの常識であることに気がつかなくなってしまいます。地方へ旅行に行くとコンビにも、スーパーもない町がそこらにあり、そこに人々の営みがあります。  しかし人々は極めて素朴で、明るいところに、このごろ都市生活で疲れて来ているように思われる上海人との違いを見つけました。もちろんサービスなどはまだまだですが、この広い中国で、この山の中から一生出ることのないかもしれない人々に対して、情報に埋もれている我々の過度のサービスなどの概念を要求することに無理があるわけで、それはそれで中国を旅する楽しみの一つだと思います。
 現地のガイドが言っていた言葉が印象的でした。「沢山の物売りが観光客相手にたかってきますが、買う意思がないのなら決してちゃかさないように。なぜなら彼らは生活がかかっているし、なにも悪意をもっているわけでもない。かれらは現地の農民たちにすぎないのです。」
 しかし観光地とはいえ、やはり物価は上海と比べ物にならないぐらい安かったのは印象的です。チンゲンサイの炒め物が上海では8元はするのがこちらではたった2元でした。
次回はいよいよ山に登ります。

(山之内 淳)


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