我是大学生〜中医薬大学の教室より〜

【13】大学生献血事情

 大学の三週間に及んだ旧正月休みも明け、キャンパスに活気が戻ってきています。まずは宿題テストの嵐をかわさなくてはなりません。中国の大学では正月休みにもたっぷりと宿題をもらうために、頭が痛い話です。
 いまは二学期のちょうど半ばで、あと7週間もすればいよいよ期末テストです。その前に、中国ならではの行事として3月の末には毎年恒例の1週間に及ぶ「献血休み」があります。以前、日本の某新聞でも紹介されたようにも思いますが、今回は視点を変えて中国人大学生と献血について書いてみようと思います。

 中国には、これだけの人口があるのだからひょっとして血液が足りているのではないかと、お思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はかなり不足しているようです。これには色々な要素がかかわっていますが、何よりも自分の両親からもらったものを人にあげるという行為に、大きな抵抗があるようです。事実、我が大学の解剖教研室でも、献体が極端に不足していて、解剖実習の大きな障害になっています。
 日本では高校生から献血をやっていますが、こちらでは大学から始まり、また年に1回の学校ぐるみの活動一環となっています。大学生はご存知の通り一般は寮から通っているので、比較的まとまった人数で献血をしやすいと言う条件が整っていますし、なによりも年齢的にも、血液の質から言っても、申し分がありません。一般の大学では全員が献血に参加する必要はないようです。クラスで規定内の人数が集まったら良いのですが、我々のように医学系の大学に通う学生には献血をする義務があります。もちろん全員ができると言うわけでもありません。たとえば女性は生理中なら免除されます。またご存知の通り中国はB型肝炎のキャリアが非常に多い国ですので、血液検査および体格検査は慎重に行われます。体重制限もあり、基本的に男が50キロ前後、女が45キロ前後とあります。量は一律200CCと決められています。献血を免れるために、ダイエットに励む女学生もいるとかで、このころになると、何かと献血が学生たちの間で話題になります。寮の一部屋7人から8人のなかで、全員が全く問題なしに献血できると言うのはかなり珍しいそうです。  日本では献血をした後に、ちょっとした食べ物などをもらったりしますが、こちらでもそういう習慣があります。以前は献血後に「補品」といって、主に滋養強壮作用のある食品の配ったりしていたようですが、いまでは変わりに「補品」を買うための費用として、大学生の献血者一律に150元(約2200円)ほどが支給されます。体の一部が献血によって失われたのでそれを補う、という中国人の考え方がここにも現れています。 もちろん中国でも血液の売買は禁止されていますが、こういう形で現金が支給されるのも興味深いです。そしてそのあと我々の大学では、献血をした学生も、しなかった学生も1週間に及ぶ献血休みが与えられます。これで一連の献血の行事は終わります。献血を行うと、その後に証書が与えられ、もし献血をした人が、将来血液を必要としたときは、医療費などでの優遇処置が与えらるそうです。
 しかし講義中に先生がおっしゃっていましたが、やはり輸血時における血液の安全性にはまだまだ疑問点が残るようです。そのためにも自分の血液を前もって病院に保管してもらうように、と冗談半分に先生がおっしゃってましたが・・・・。

 次回は中医沙龍の「気」シリーズ第四弾、「気のパワー」を掲載する予定です。また随時身近な中医学で使われる生薬の紹介もしていきます。ますます充実させて行きますので、これからもよろしくお願いいたします。   

(山之内 淳)


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