| 我是大学生〜中医薬大学の教室より〜 |
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(直線美が美しい浦東国際空港の搭乗ゲート)
今回の帰国では、初めて浦東の新しい空港を利用しました。いろんな評判が巷で聞 かれますが、片側4車線前後の極めて広い道路幅の空港へ連絡する外環線は、早くに 作られ少々くたびれてきた内環線と違って凸凹も少なく、まるで関西空港自動車道を 滑るように走っているような感覚でした。タクシーの運転手も自慢気…。 ちなみにこの様なすばらしい直線の道路なのに、最高時速は80`に抑えられてい ます。聞くところによると、沿線の農民が生活路としてこの道路を頻繁に横断するそ うで、轢かれる事故が絶えないとのこと。そのために速度を規制しているので、なる ほど公安の速度取り締まりがかなりきつく、早速多くのドライバーが捕まっていまし た。 さて、今回はいつも病院実習で感じた、中国での病院の風景を書こうかと思いま す。ここでの記載はあくまでも中国人がごく日常に利用する病院のことです。 ●患者が管理するカルテ 中国では、各個人がコンピューター化された磁気カードを持っていますが、普通は それ以外に自分のカルテを持ち歩いています。大きさははがき大ぐらいで、言葉はす べて中国語です。もし書くところが無くなると、その上に紙を張りつけています。 また血液検査などの検査結果も同じくカルテに張られていて、患者はいつも診察結 果および薬の処方を自分自身で確認できます。自分のものは自分で管理するというわ けなのですが、そこには結構高額な値段を払って受けた検査結果を、れっきとした自 分の所有物とするというような考え方があるような気がしました。X線のあの黒い シートも自分で持っていることが多いです。したがって主治医が変わったり、病院が 変わったときにもそれなりに参考資料となるわけですが、失うとかなり厄介です。時 たまそういう患者もいて、医者は困り果てています。 医者も大変です。患者の目の前で、カルテや処方のすべての内容をまとめなくては なりません。考える猶予は非常に限られています。もし患者の目の前で、処方が思い 浮かばなかったり、更には本で調べるようなことがあれば、当然失格です。我々学生 で、初めて臨床に立つものにとっては緊張の連続です。 ●医者と患者の地位 近ごろ患者の自分の体に対する関心が高まり、また医療事故に対する要求も日に日 に厳しくなり、特に「上海人の患者は非常にやりにくい」と言う声が医者の間でよく 聞かれます。 以前はどんなときも素直に医者の話を聞いて納得する患者が多 かったそうなのですが、一部の地方から来た患者を除くと、自分たちの法的な権利の 主張が高まり、中には医者に無理難題な要求を平然と突きつけるような患者もいると か。特に大変なのは小児科で、一人っ子政策による少子化で、子供に対する治療の要 求は高く、聞くところによれば一番所属したくない科の一つだそうです。 また患者は医者の疑問点にはとことん突っ込みます。これは討論好きな上海人のこ と、容易に想像がつくことでしょう。おまけに診察室は日本のように一室に医者、患 者各一人ずつではなく、大部屋の診察室には待っている患者たちも含めてかなり大勢 の人たちがいるため、先生と患者の会話は筒抜けで、時には大討論会になることもあ ります。もちろん医者も大勢の患者がいる前ではメンツもありますから上手く対応し なくてはなりません。 いずれにしろ、患者が医者に対して多くのことを主張で きる環境は、日本よりは上だと思うのですが。しかし我々外国人にとっては未だに慣 れませんが・・・。 ●針麻酔こぼれ話 これはある先生が麻酔科の授業中に紹介してくれました。 数年前、針麻酔が脚光を浴びたころ、多くの外国の医者が針麻酔の見学の為に病院 を訪れました。もちろん針麻酔はそれなりに効果があるのですが、残念ながら、まだ その確実性には疑問点が多く残ります。また大変高度な技術を要しますし、効果の個 人差も大きいようです。これが身内だけのことではそうでもなのですが、外国人の医 者の参観となればそうもいきません。 そこで患者と執刀医が事前に相談し、万 が一麻酔が切れてもそのまま手術を続けるから,痛くても我慢するようにとの内緒の 約束が・・・・。その患者は見事に何も無かったようにその手術を乗りきったとか。 はたまた頭の下がる思いです。 ●薬屋と医者 これもよくある話。いま薬業界も外資などとの競争が激しく、企業もあの手この手 を使って自分の薬を使用してもらうように頑張ります。そこで医者と直接交渉し、自 分の会社の薬を使ったら、その分医者にお礼を渡すことがよくあるようです。 道理で、このごろ病院にいくと、訳の分からない薬や新薬を大量にもらい、その処 分に困ってしまいます。これは何も我々外国人に限ったことではなく、中国人の患者 も同じで、中国の新聞にも取りあげられた問題になっていました。なるべく無駄は避 けるべきだと…。 ここ数年の経済発展により、お金持ちが格段に増えました。それに伴い、値段が高 い薬(多くは輸入薬を指すそうですが)ほど、効果がいいという「信仰」がお金持ち 達の間にあるようです。そこでいくら安く良い薬があってもそちらを選択しない傾向 が深刻なようで、そのため価格が安くて儲けがあがらず、またあまり知られていない けれども効果があるような中薬が薬局から姿を消しつつあるのは、非常に残念な限り です。 ではまた、次回をお楽しみに。
(山之内 淳)
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