我是大学生〜中医薬大学の教室より〜

【10】運動会

 このコラムもついに10回目を迎えることになりました。
 まだまだ未熟ですが、これからも応援してくださいますようによろしくお願い申し 上げます。

 突然ですが、去る10月27日に全校学生に対して夜8:00から緊急集会が開か れした。 何かと思えばその日CCTV(中央テレビ)において「法○功」に関する特別 報道番組があるそうで、それを学生たちに見せるということになったようです。
 一応付け加えておきますが、私たち中医薬大学は大学の課程においても気功を習います し、大学付属の気功研究所もありますが、世間を騒がせている一連の騒動とは、まっ たく別のものであり、また中国で気功が全面的に禁止なったわけでもありません。な により医学的治療の立場からも、体の免疫力を高めたり、また癌治療、とくに肺癌治 療などにも積極的に活用され、一定の効果が認められてます。ここで問題になるのは 我々中国医学を勉強する者の間では常識になっている、気功をやった上で起こりうる いわゆる「偏差」(副作用) に関するものです。この騒動も少なからず関連してま すが、もししっかりと理論を体得し、科学的見地で対応できる中医師、気功師の指導 なしで気功をやった場合、最悪の場合肉体的もしくは精神的なダメージを受けるこ とがあります。これが漢方などの副作用と同様、一般市民が自然療法に近いと思いこ んでいる中国伝統医学の盲点でもあります。とはいってもそんなに恐れることでもあ りません。私も先学期、授業の一環として毎日1限目に(朝6:20)やってました が、やはりその一日はなぜかいつもより集中力が増したように感じられ、体がすごく 軽かったのです。皆さんもどうぞお試しあれ。

 その翌日10月28日の午後から、29日まで、大学のグランドにおいて第30回 の上海中医薬大学運動会が開催されました。ここの運動会はどちらかというと競技種 目が大半を占め、余興的な種目はほとんどありません。そこで、唯一各クラスの団結 や個性をあらわすことが出来るのが、おなじみ開会式の入場行進です。各クラス、この 開会式の行進の為に、忙しい勉学の合間をぬって夜にグラウンドに集まり練習 に励んでいました。開会式といってもすべての学生がグランドに集まるわけではあり ません。各クラス選抜メンバーを募り、そのメンバーが演技をします。そのため写真 の中の学生数はあまり多くありません。服装は各大学によって、その中でも各学年に よって「校服」と呼ばれる学校指定の体操服が決められており、グランドは色鮮やか になります。

 我々のクラスは3週間も前から、剣の演舞を練習してました。もちろんみんな素 人。その中でも武術隊に所属する同級生が中心になって指導をしてました。なかなか 様になっていて、みんな色とりどりの武術をするときの衣装を身に着け、隊列を組ん で剣を目の前に立てて、ザッザと歩いてきます。これがなかなか格好がよかったで す。そして舞台の上に座っている校長先生や来賓の前に来ると、バッと隊を崩し、型 をビシッと決めました。その他、軍服を着て行進するクラスやら、風船を 上げるクラスなどそれぞれが意匠を凝らしていてなかなかのものでした。

 しかしやはり何といっても見ものは私たちの大学の武術隊の演舞でしょう。彼らを 始めとする運動員は、いわゆる日本で言うような「一芸入試」で選抜されていて、 入学試験の筆記テストにおいて少し下駄をはかせてもらえます。そのかわり入学後は 勉強と運動を両立しなくてはならず、ただでさえ猛烈に忙しい大学の勉強、その努力 は並大抵のものではないはずです。中には国や上海市の重点強化選手に選ばれている 学生もおり、そのレベルはなかなかものです。武術隊のほかにも、サッカーやバ レー、水泳などもあります。武術隊のメンバーはこの運動会の開会式でその日ごろの 練習の成果を見せてくれます。まるで映画の武術格闘シーンを見ているような白熱の 演舞には思わず息を呑みました。そしてギャラリーからは大 きな喚声と拍手が起こります。その他女子学生によるエアロビクスのグ ループ演技など、日ごろの大学生活ではなかなか窺い知ることの出来ない学生たちの 個性と特技が発表される貴重な機会なのです。

 学生指導の先生曰く「運動会の開会式に参加した学生はちゃんと記録しておくから 」とのことです。ここにはいわゆる「内申書」が存在しているのです。 学生数が多いだけに競争の激しさも改めて痛感しました。聞くところによると卒業年 度になると自分が少しでもいい病院に配属されるように、同級生同士の足の引っ張り 合いが始まるそうです・・・。

(山之内 淳)


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