| 我是大学生〜中医薬大学の教室より〜 |
|
|
|
中国について語るとき、切っても切れないのが悠久の歴史と、それによって育まれてきた中医学ではないでしょうか。我々日本人には漢方と言われるほうが馴染みが深いかもしれませんが、基本的には2つは兄弟でも、実は違うものです。その本家本元の中国では、病院に行かれた方はご存知だと思いますが、中にきちんと西医科(西洋医学)もあれば中医科もあり、鍼灸科もあり、推拿科(中国式マッサージ)もあります。またその中医科の中にも、内科、婦産科(産婦人科)、など細かく分けられています。それだけ普通の医療行為として人々に浸透しているのです。薬代を考えても、決して高価な治療方法ではありません。 と言うことはもちろんそういう医者、中薬剤師たちを育てる学校が当然有るわけで、それが私の通う上海中医薬大学になります。 以前はタクシーにのっても、場所が分からない運転手が少なくありませんでした。それもそのはず、交通大学や華東師範大学のように自転車で走りまわらないといけないほどのキャンパスと比べると、本当に小さな大学で、むしろ隣接している大学附属の龍華病院の方が、名が通っているかもしれません。 上海体育館の前を走る零陵路を東に1キロほど走った街中に私たちの大学はあります。校門に立つと、まず中薬を煎じる香ばしい香りが漂ってきます。そして白衣姿の学生が往来し、ここが医科大学であることを感じさせます。創立は1956年。中国でも最も古い中医大学の一つです。大学の中には1937年に作られた中国でも珍しい医史博物館をはじめ、中薬標本室などあり、それらを参観しに毎日、欧米、日本、韓国からと観光バスがひっきりなしにやってきます。 大学の名前から分かるように、専門は中医、中薬、鍼灸、推拿(いわゆる中国式マッサージ)、中医基礎医学の5つの学科に分かれています。中薬学科は4年制で、主に中薬を扱う薬剤師の養成で、それ以外の4つの学科は5年制です。またそのままマスターに進んでしまう7年制もあり、その他、気功研究所などの附属研究所も合わせると、かなり多種に分かれています。 キャンパスの中に中国人の寮、そして留学生の寮があります。ここも中に入るとまた中薬の煎じた香りが漂っています。そうなんです。私達学生は病気になると、「これはいい機会だ」と言うことで生薬を煎じては自ら実践です。学校主催の運動会ともなると、学生は自分の鍼灸の針を取り出しては、故障した学生にお互い治療をします。救護班のテントに鍼灸の”針”が常備されている運動会はそう多くないでしょう。 留学生の大部分を占めるのが韓国人。日本人は決して多くありません。マレーシア、インドネシア、ラオス、ベトナム、台湾などアジア系、とくに華僑が多いのも特徴です。勉強の性質上、現代漢語だけでなく、いわゆる漢文(古漢語)などを白文で読破する必要があり、欧米系のもともと母国で漢字を使わない留学生はかなり苦戦していますが、それでもドイツ、イタリアなどからも留学生が来ています。彼らの漢字に対する奮闘には頭が下がる思いです。我々日本人でも何十年とかけて学習を積み重ねてきた漢字を、たった2年、3年で大学本科入学に必要なHSK6級に合格するレベルまでに持っていったのですから・・・。彼らには我々と違って書き取り、読み取りが最大の関門なのです。中医学はいわゆる人間を相手にする科学でありながら、文系色の極めて強い学問なんです。 私は上海歴丸3年、日本にいるときからから東洋医学、特に中医学を勉強するのが夢でした。そして、今この大学で未来の中医師の卵である中国の”同学”と一緒に机を並べる夢が叶い、本科生として毎日奮戦しています。 これからこのページをお借りして、中国の一人の大学生として、上海における中医学、中薬、そして中医大学での勉強などについて、中国の”同学”たちの素顔を交えながらご紹介したいと思っています。
(山之内 淳)
|
shanghai@shanghai.or.jp
Copyright 1999 Shanghai Explorer